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【コロナ禍百合恋愛短編小説】隣の部屋の静かな宇宙~ベランダ越しの恋文(ラブレター)~  作者: 霧崎薫


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●2024年4月

2024年4月10日(水)


桜が満開になった。今年は雫さんと二人だけでお花見をした。

去年より人出が多く、コロナ前の賑わいが戻ってきた感がある。


私たちは少し離れた静かな場所にシートを敷いた。持参したお弁当とお茶を広げながら、桜を見上げた。


「美しいですね」と雫さんがため息をついた。

「本当に。でも桜より美しいものがここにありますよ」


その言葉が口から出た瞬間、雫さんは驚いたような顔をした。私も自分の大胆さに驚いた。


「葵さん…」

「すみません。変なことを言って」

「いえ、嬉しいです」


しばらく無言で桜を見上げていた。でも空気が変わったのを感じた。


風が吹いて花びらが舞った。雫さんの髪に花びらが一枚止まった。思わず手を伸ばして取ろうとした時、彼女も同じタイミングで振り返った。


顔が近づいた。とても近くに。


「葵さん」と彼女が小さくつぶやいた。

「雫さん」


その瞬間を何かが遮った。近くで遊んでいた子供のボールが飛んできたのだ。


私たちは慌てて離れた。頬が火照っていた。


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