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【コロナ禍百合恋愛短編小説】隣の部屋の静かな宇宙~ベランダ越しの恋文(ラブレター)~  作者: 霧崎薫


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●2024年3月

2024年3月3日(日)


ひな祭り。雫さんと一緒にちらし寿司を作って食べた。

彼女の手際の良さに感心しながら、楽しい午後を過ごした。


「葵さんは料理が上手になりましたね」と褒められて嬉しかった。

「雫さんに教えてもらったおかげです」


最近は料理だけでなく、いろいろなことを一緒にするようになった。掃除、洗濯、買い物。まるで同居しているカップルのようだ。


その思いが頭をよぎった瞬間、顔が熱くなった。


「どうしました?」と雫さんが心配そうに聞いた。

「いえ、なんでもありません」


でも本当は違う。私は彼女のことを単なる友人以上に思っている。でもその気持ちを伝える勇気がない。


夕方、一緒に近所を散歩した。桜のつぼみが膨らんできている。もうすぐ春だ。


「今年も一緒にお花見ができますね」と彼女が言った。

「楽しみです。去年より素敵な春になりそうです」

「どうしてですか?」

「なんとなく、です」


本当はもっと深い理由がある。でもまだ言葉にできない。


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