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【コロナ禍百合恋愛短編小説】隣の部屋の静かな宇宙~ベランダ越しの恋文(ラブレター)~  作者: 霧崎薫


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●2024年2月

2024年2月14日(水)


バレンタインデー。今年も雫さんと一緒に過ごした。

でも去年とは違う。今年は特別な意味を込めて手作りチョコレートを作った。


「いつもより時間をかけて作りましたね」と彼女が言った。

「はい。特別な人に渡すものですから」

その言葉に込めた意味を、彼女は理解してくれただろうか。


彼女からも手作りのマドレーヌをもらった。ハート型に焼かれていて、とても可愛らしかった。


「去年より上手に焼けました」と彼女は照れながら言った。

「私も一年間で成長したということでしょうか」


お互いに成長した。それは料理の腕前だけでなく、関係性においても。


夜、彼女の部屋でワインを飲みながら映画を見た。フランス映画の「アメリ」。何度も見た作品だが、雫さんと一緒に見ると新鮮に感じられた。


映画の中でアメリとニノが恋に落ちるシーンで、なぜか胸がドキドキした。隣に座る雫さんの横顔を見ると、彼女も少し頬を赤らめていた。


「素敵な映画ですね」と彼女がつぶやいた。

「ええ。愛について考えさせられます」


愛について。その言葉を口にした時、自分の気持ちがはっきりと分かった。


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