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【コロナ禍百合恋愛短編小説】隣の部屋の静かな宇宙~ベランダ越しの恋文(ラブレター)~  作者: 霧崎薫


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●2023年12月

2023年12月24日(日)


クリスマスイブ。去年は一人で過ごしたが、今年は雫さんと一緒だ。

昨日から彼女の部屋で ささやかなクリスマス パーティーの準備をしていた。


手作りのローストチキン、マッシュポテト、サラダ、そしてクリスマスケーキ。全て二人で作った。料理をしながらクリスマスソングを聞いて、とても楽しい時間だった。


「去年のクリスマスは寂しかったです」と彼女が言った。

「私もです。でも今年は違いますね」

「ええ。葵さんがいてくださるおかげです」


乾杯をして、お互いにプレゼント交換をした。私は彼女に万年筆をプレゼントした。彼女からは手編みのマフラーをもらった。温かくて肌触りの良いマフラーだった。


「手編みなんですか?」

「ええ。秋から編んでいました」

「ありがとうございます。大切にします」


キャンドルを灯して、静かな夜を過ごした。クリスマスツリーの電飾が部屋を優しく照らしている。


「こんなに穏やかなクリスマスは久しぶりです」と彼女が言った。

「私も同じです。雫さんと過ごせて幸せです」


時計が午前零時を回った。クリスマスが終わり、新しい日が始まった。でもこの特別な時間は私たちの心の中にずっと残るだろう。


### 2023年12月31日(日)


大晦日。今年最後の日。

雫さんと一緒に年越しそばを食べながら、この一年を振り返っている。


5類移行、マスクの個人判断、少しずつ日常が戻ってきた一年だった。でも何より大きな変化は、雫さんとの関係が深まったことだ。


最初はベランダ越しの挨拶から始まった関係が、今では互いの部屋を行き来する親しい間柄になった。彼女がいることで、一人暮らしの寂しさを感じることがほとんどなくなった。


「今年は葵さんと過ごせて、本当に幸せな一年でした」と彼女が言った。

「私も同じです。来年もよろしくお願いします」

「こちらこそ」


紅白歌合戦を見ながら、来年の抱負について話した。彼女は個展の成功、私は新企画の充実。お互いの目標を応援し合うことを約束した。


カウントダウンが始まった。今年は一人ではない。大切な人と一緒に新年を迎えることができる。


「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1…」

「明けましておめでとうございます」

「おめでとうございます」


新しい年が始まった。きっと良い年になるだろう。


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