表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コロナ禍百合恋愛短編小説】隣の部屋の静かな宇宙~ベランダ越しの恋文(ラブレター)~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/41

●2023年7月

2023年7月15日(土)


今日は雫さんのアトリエを訪問する日だ。彼女の部屋に入るのは初めてなので、とても楽しみだった。


午後二時に約束していた。ドアを開けてくれた雫さんは、絵の具が少し付いたエプロンをしていた。

「ちょうど作業をしていたところです。どうぞ」


部屋に入ると、想像以上に素敵な空間だった。大きな窓から自然光が入り、イーゼルや画材が整然と並んでいる。壁には彼女の作品がいくつか飾られていた。


「わあ、素晴らしいアトリエですね」

「ありがとうございます。北向きの窓なので光が安定していて、絵を描くのに適しているんです」


彼女の作品を見せてもらった。繊細な水彩画から力強い油絵まで、様々なタッチの作品があった。どれも美しくて見とれてしまった。


「この絵、とても素敵ですね」

ある風景画を指して言うと、彼女は少し照れたような顔をした。

「故郷の松本の風景です。帰省した時に描きました」


山々に囲まれた美しい町の風景。彼女の故郷への愛情が伝わってきた。


「いつか一緒に松本に行けたらいいですね」

「本当ですか? 嬉しいです」


コーヒーを飲みながら、彼女の作品について話を聞いた。技法のこと、モチーフを選ぶ基準、制作にかける時間。すべてが興味深かった。


「絵を描いている時はどんな気持ちですか?」

「無心になれます。雑念が消えて、ただ色と形だけに集中している状態。それがとても心地いいんです」


彼女の言葉に深く共感した。私も文章を書いている時に似たような感覚になることがある。


四時間近く一緒に過ごした。帰る時、彼女は小さなスケッチブックをくれた。

「良かったら使ってください。何か描いてみませんか?」

「絵は苦手ですが、挑戦してみます」


家に帰ってからスケッチブックを開いてみた。真っ白なページを見ていると、何かを表現したい気持ちが湧いてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ