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2023年6月

2023年6月25日(日)


今日は雫さんが初めて私の部屋を訪れる日だ。朝から掃除をして、お茶とお菓子を用意した。

午後三時に約束していたが、十分前にはもう準備万端だった。


インターホンが鳴った時は緊張した。でもドアを開けて彼女の笑顔を見ると、すぐにリラックスできた。


「お邪魔します」

「どうぞ、どうぞ」


部屋を案内すると、彼女は本棚を見て感心していた。

「たくさん本をお持ちですね」

「読書が好きなんです。雫さんも読書家でいらっしゃいますよね」

「ええ。職業柄、いろいろな本を読みます」


紅茶を淹れて、ソファに並んで座った。こうして室内で向き合って話すのは初めてだった。彼女の話し方、仕草、すべてが上品で美しかった。


「この部屋、とても居心地がいいですね」と彼女が言った。

「ありがとうございます。一人暮らしが長いので、自分なりに工夫しています」


窓から見える景色、インテリアの配置、本や雑誌の並べ方。彼女は細かいところまで関心を示してくれた。


「今度は私の部屋にもいらしてください。アトリエもお見せしたいです」

「ぜひお邪魔させてください」


三時間ほど一緒に過ごした。もっといてほしかったが、あまり長居するのも迷惑かもしれない。


「今日はありがとうございました。とても楽しかったです」

「私の方こそ。また来てください」


彼女が帰った後、部屋に彼女の香りが残っていた。シャンプーの匂いと、わずかなオードトワレの香り。それがとても心地よかった。


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