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●2022年10月

2022年10月8日(土)


朝晩がめっきり涼しくなった。秋らしい気候になって、ようやく過ごしやすくなった。

でも物価高は相変わらず続いている。今月からまた多くの商品が値上がりした。


マヨネーズ、ケチャップ、醤油などの調味料が軒並み一割から二割値上がり。冷凍食品も同様だ。スーパーで買い物をするたびに出費が増えていく。もはや千円では満足な買い物ができない。


今日は雫さんと初めて長い時間話をした。夕方からベランダに出て、気がつくと二時間近く経っていた。


「最近、生活が厳しくなってきました」と私が言うと、彼女も頷いた。

「フリーランスは特に大変ですね。仕事の単価は上がらないのに、生活費だけが上がっていく」


彼女はイラストレーターとして十年以上やっているが、「ここ数年で最も厳しい状況」だという。出版業界自体が縮小していることもあり、仕事量も減っているそうだ。


「でも」と彼女は続けた。「こういう時だからこそ、本当に大切なものが見えてくる気がします」

「どういう意味ですか?」

「物質的な豊かさより、心の豊かさ。派手なものより、シンプルで本質的なもの。そういうものの価値に気づくんです」


彼女の言葉に深く共感した。確かにコロナ禍と物価高で、私たちの価値観は確実に変わった。高いものを買うより、長く使えるものを選ぶ。外食より手作り料理。華やかなパーティーより、信頼できる人との静かな時間。


「葵さんとこうして話せることも、私にとってはとても大切な時間です」

その言葉に胸が温かくなった。


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