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温泉っていいよね

東通りの東エリア、その端の方に温泉旅館、小鈴はあるらしい。

小鈴があるあたりは学園の中にある、森の近くにあたり、人気が少ない。

さらに小高い山のように盛り上がっており、緩やかな角度ではあるが、傾斜の道が続いている。

しかし灯篭状の照明が一定間隔に並んであり、暗すぎるという訳では無い。



「学園都市の中にこんな山や森っぽい施設があるんですね。ちょっと信じられないです。」

「同感。維持するのも大変だと思う。

なんのために森とか山があるんだろ。」



「あっそれね、森林浴とか適度に運動したい人のために作ってるらしいよ。

この都市から出ることは出来ないからね。

できるだけ多くの種類の施設があるみたい!」



そこまでしてこの学園都市に閉じ込めておく必要があるのだろうか。

何か裏を感じる。



それはそうと小鈴であろう施設が見えてきた。

今回は外観からしてかなり立派なお屋敷であり、初めて来た組のメンツと共に圧倒される。

ロビーは木製の床であり、かなり広い。

マッサージチェアやテレビなんかも置いてある。

探したら卓球台なんかもありそうだ。

相変わらず自動の受付でお金を払い、廊下を歩いていく。



「……今思ったんだけどもしかしてこの温泉旅館、拡張されてないの?」

「そう!そこがこだわりポイントでね。

建物の内部を拡張するのは便利なんだけど、問題点として()()()()()()()()()()んだよね。」



「へー。それは全然知らなかった。」

「内部拡張、謎な技術ですね。」



「そう!だからこの旅館では外の景色を楽しめる露天風呂が売りなの!!

景色を楽しむためだけに山に建てたらしいしね!」



確かにキョウカが推して来るほどの工夫が凝らされているらしい。



「楽しみ。東方人街の夜景とかぜったいキレイ。」

「キョウカさん質問なんですけど、先程のお寿司屋さんでは外に庭園のようなものが見えませんでしたか?

あれはどういうことなんでしょう?」



「あれは家の中に庭があるんだよね。

中央に庭があって四角い形の家が取り巻いてるんだよ!」

「なるほど。そういう構造であれば建物として認識されるのですね。」



意外ともの知りなキョウカの豆知識に驚きつつ、脱衣場に到着。

ちなみに混浴じゃない。

私は服を着ている方が萌えるタイプなので女の子の裸だろうが、推しの裸だろうが興奮しない。

見えないからこその良さってあるよね。



キョウカはさっさと脱いでしまって1人で行ってしまった。イチオシ露天風呂を前にして我慢が出来なかったんだろう。

ちなみにまあまあ大きい。

何がとは言わんが。



ミカエルは脱ぐのを躊躇っているのかカゴの前でワタワタしている。

相変わらずだね。



セレナは指パッチンを1つすると、ドレスが消滅し、スレンダーで何処か品がある裸体を晒していた。

決して大きくはないが、形がいい。

何がとは言わんが。



私ももう脱いでしまって手持ちサイズのタオルを持つ。

ちなみに私はひんぬーだ。

コンプレックスに思ったりはしていない。

立派な個性でブランドなのだ。

そのままセレナと一緒に向かう。



「うわぁすごい豪勢ですね。」



床は滑り止め防止が付いたタイルが敷き詰められている。

おっきい温泉とちっさいジャグジー付きのお風呂、冷風呂にサウナ、そして目玉の露天風呂があるようだ。



「早速露天風呂にいく?」

「キョウカさんは、もう露天風呂ですかね。

あるじさまはどうされます?」



「私はちょっとだけ中のお風呂であったまってからいくよ。」

温泉の入る順番とか知らないが、私は露天風呂の前に少し温まるタイプだ。



「なら私も御一緒してよろしいですか?」

「もちのろん。行こっか。」



そのままちょっとあったまってから露天風呂に向かう。

外は少し肌寒い気もする。

露天風呂は段々になっていて、1番上にはキョウカが陣取っている。



「おー!来たねアル!!

さぁ早速入ってみてよ!」



お湯を体にかけ、足先から湯につけていく。

熱めの温度なのだが、初春の肌寒さと相まって最っ高に気持ちいい。

景色も学園都市を一望でき、綺麗な夜景である。



「いいですね…

こうやって景色を見ながら入っていると、()()()()()捨てたものではないと感じますね…」

「同感。とろける。」



何かセレナのセリフに違和感を感じたような気がしたが……多分気の所為だろう。

それより今はこの世界に来てから初めてのちゃんとしたお風呂を楽しみたい。



ミカエルも遅れながらやってくる。

そのままお湯をかけ、露天風呂に入ると目に見えて顔を蕩けさせている。



「みんながいい反応してくれるから紹介したこっちも嬉しいよ!!

……また今度、みんなで来ようね!」



















のぼせないうちに上がり、女子寮まで帰る。

東通りを抜け、北通りの先まで行かないと行けないが、行きよりも仲良くなれたおかげか、体感時間はかなり短かった。

キョウカは別棟の女子寮だったので、私の女子寮の前で別れる。


「じゃ!また明日ね!アル!セレナ!」

「また明日。」

「今日はありがとうございました。

楽しかったです。」

「こっちこそ付き合ってくれてありがとねー!

じゃバイバーイ!!」



「さて、今日はもう遅いし、歯磨いて寝るよ。」

「了解です。あるじさまと一緒に寝るの、楽しみです。」



相部屋がないのは恐らく召喚したキャラと住むからだろう。

……男子に召喚されたキャラの子が襲われないのではと思うかもしれないが、腐ってもキャラ。星1でも人間よりはよっぽど強いから問題はない。

薬や毒なんかもカオスやキャラ由来のものじゃなきゃ効かないので問題ないだろう。



「何もしないでね。」

「もちろんです。する訳ないじゃないですか。」



怪しいぜ。

逆に言えばキャラから襲われた時無力だからね。

もちろん使役者、マスターに危害を加えることは出来ないが。

ミカエルさんはないすばでーです。

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