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ほっと一息

お風呂、小鈴……


わかる人には分かるのかな?

召喚の儀が終わり、少し暗がりが目立って来る時間帯に。

学園から東通りを抜け、東方人街にやってくる。

実際に東方人が住んでいる区画、という訳ではなく、東方感のある場所が欲しかったから作ったのだろう。

一応は日本がベースっぽいゲームだしね。



東方人街には大きく分けて、2つのエリアがある。

大きめの日本家屋が中心な東エリアと、雑多で中華風な街並みの西エリアだ。

今回向かう温泉、露天風呂は小鈴という名前で、東エリアにあるらしい。



でもその前に、いい時間になってきたのでご飯を食べに行く流れになってきた。



「どうする?東エリアでご飯食べる?」


「そうだね!もうおなかペコペコだし、お寿司屋さんにでも行こっか。生魚が無理だって人いる?」


「大丈夫。」


「お寿司ですか。食べたことないので楽しみです。」


フルフルっ


「みんな大丈夫そうかな?

ここのお寿司はお値段の割にめちゃくちゃ美味しいんだよー!

学園都市の外で食べたら諭吉は覚悟するぐらい。

だから期待しててもいいよー!」



普通に楽しみだ。前世では極たまに回転寿司にいくくらいしか寿司を食べなかったからね。

ちなみにこの学園では専用の通貨が使われている。

貨幣価値は大体日本と同じ、というか単位も円だ。



お金はアルバイト、カオスの討伐、訓練用ダンジョンへの挑戦なんかで稼ぐことが出来る。

もちろん現実になった影響で変わってるかもしれないけど。

また、学園に入学した時に一律で30万円配布されている。



裏通りを通って穴場的な店に辿りつく。

店の前に小さく看板が出ているが、外観が辺りに並ぶ普通の日本家屋と同じなので、しらなかったらスルーしてしまいそうだ。

キョウカはよくこんな店知ってるね。

と思っていたらセレナが同じく疑問に思ったのか、話題に出す。



「にしてもキョウカさんはもの知りなのですね。

まだ2ヶ月しかいないはずなのにこんな隠れ家的なお店を知ってるなんて。」


「えへへー。実はバイト先の先輩に連れて来て貰ったんだよね。

凄く美味しかったからいつか誰かと来たいなって思ってたんだ。」

「なるほどなるほど。バイトなどでの繋がりも大事そうですね。」



カオスの討伐や訓練ダンジョンには報酬という面では及ばないが、人間関係、そういう繋がりを作ることが出来るのだろう。一長一短だね。



石畳を越え、店内に入る。

大将が真ん中に立っていて、お寿司を握ってくれる感じだが、大所帯なので、個室に移動する。

以外と人は入っているが、やっぱり超常ぱわーで拡張されているのか、窮屈感はない。



個室は畳ばりで真ん中にテーブル、障子を開けると幻想的な日本庭園が目に入る。

私、キョウカが隣合わせ、セレナとミカエルが向かい側でちょこんと座っている。

みんな綺麗な正座でちょっとびびった。

セレナとミカエル馴染むの早すぎん?



2人前の握りセットと海鮮丼を頼み、私以外は緑茶、私はウーロン茶を注文する。

あとはお吸い物や豚汁なんかも頼んである。

海鮮丼やサイドメニューは私が頼んだ。



昔っからウーロン茶しか飲まなかったせいか、ご飯を食べに来ても大体がウーロン茶を頼むようになってしまった。

幼い頃の習慣って成長しても結構出てくるよね。



荷物を置いたり、お冷を飲みながら談笑していると、早速お寿司が運ばれてくる。

定番所のサーモンやマグロ、イカなんかから、見たことない魚まで色々ある。どれも2個ずつだ。

海鮮丼は小分け出来るよう、取り皿も貰っておく。

絶対うら若き乙女4人が2人前のお寿司だけでは足りないからね。

みんなにちょこっとずつおすそ分けだ。



「私マグロとサーモン欲しいー!

みんなは何か食べたいのある?」


「私はどれが美味しいのか分からないので、おすすめのものをいくつか選んで頂きたいです。」


コクコクっ


「タコはあげない。」


「ぶはっ!タコってアル見た目によらずしぶいねー!いやでも意外と定番だから普通なのかな?」



べついいじゃん。タコ好きなんだよ。



「お寿司初心者組はとりあえず定番で美味しいマグロ、サーモンをおすすめ。あとセレナはタコも食べてみて。」


「私のおすすめはハマチかなー!

ミカエルはイカおすすめだよー!」



いい笑顔ではめようとしてるやつがいる。

いきなり初心者にイカはどうなんだろ。

ハマる人はハマりそうだ。



「それじゃ」「「「いただきます!」」」



うん、美味しい。高いものを食べてもあんまり違いが分からない私でもなんか舌の上でとけるよう、みたいな感想がでる。タコじゃないよ。



「美味しい。酸味の効いたご飯によく合いますね。

ぱくぱく食べられそうです。」

シャリって言うんやで。



ぱくっ、、、!! フルフルっ!? ワタワタ……



イカを食べたミカエルが無言のまま悶えている。

キョウカはケタケタ笑っているが、さすがに可哀想だったのか、私が頼んでいた豚汁を勧めている。



私もちょっといたずらしてみたくなったので、セレナに見せつけるよう、わさびを入れて食べて見せる。



「あら、あるじさま。その、さっき入れていた緑色のものはなんでしょう?」

「わさびだね。ちょっと鼻につくけど。サビ抜きは子供舌だから。」



あえて煽るように言ってみる。

すると簡単にわさびを付けてお寿司を口に運んでいる。

反応まであと5秒!!



「うん、味が引き締まって美味しいですね。全然ありです。」



ちくしょう無敵だったぜ。



伝票を持ってレジに向かう。今日のところは私とキョウカでの割り勘だ。

後でセレナにも全財産の半分渡しておこっと。

ちなみに握りセット2人前に海鮮丼、ドリンクなんかもついて3000円くらいだった。やっっす。

割り勘したら1500円だぜ。



お店を出ると、もう7時を回っている。

初春だからかすっかり日は落ちている。

早いとこ小鈴に向かって、キョウカイチオシの露天風呂でも楽しむとしよう。

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