私はだぁれ?
ハツカ学園→20日
専用端末トオカ→10日
クミズ百貨店→スク水
から来てたり。
ソシャゲ世界に来ちゃったらしい。
まだ確定ではないけど、だいぶ怪しいだろう。
まだまだ入学案内を読んでいる途中なので、さっさと読み進める。
するとまあ出てくるわ出てくるわ。
これはソシャゲ世界で確定だろう。
書いてあることをざっくりとまとめると、
4月1日に入学式があるので学園まで。
王都から直通の列車が走っている。
同封してある専用の端末「トオカ」を忘れないように。
ここまではまあいい。
だが次だ。次がこの世界がソシャゲ世界だと確定的にした。
この学園に入学すると、超常的な力を与える。
その力でキャラを召喚して、カオスと戦う義務がある。
守秘義務、安全面の観点から、この学園に敷設されている都市「ハツカ」で30歳までは生活する必要がある。
キャラやら召喚やら色んな単語が出てきているが、この世界の敵の名前がカオスな時点で既に確定だろう。
ソシャゲ時代もPvE、対モンスター戦はカオスしか選択肢がなかったのだ。
他にもツッコミたいところは色々あるが、ソシャゲ世界に来たのならやりたいことは1つだろう。
そう、ゲーム時代に苦楽を共にし、一方的に搾取された、育成済みのキャラの召喚だ。
楽しみだが、めちゃくちゃ緊張する。当たり前だ。
召喚出来たら文字通り人生勝ち組。
出来なかったら負け組、とは言わないが、圧倒的俺TUEEEEが出来ないからね。
早速召喚してやるぜ!
「……召喚?」
いやちょっとまて、なんて言ったら召喚出来るのかわかんない。
っていうかよくよく考えたらまだ超常的な力とやらを貰ってないんだから召喚出来ないのも当たり前だろう(震え声)
出来ないものは出来ないので、とりあえず情報収集を進めるとするか。
まずはこの体の名前が知りたいんだけども、、、
っとあったあった。
さっきの説明のところでちらっと出ていた専用端末「トオカ」だったかな。
見た目は完全スマートフォンだ。カバーは学園で統一されているのだろうか。
薄いピンク色でネコのマークがあしらわれてる。
あと充電不要らしい。何その謎パワー。
早速電源を入れてみる。
もうある程度詳細設定がされているのか、幾つかのアプリが目に入る。
生徒手帳、図鑑、収納箱etc……
もう何も突っ込むまい。
とりあえずそれっぽい生徒手帳を開いてみる。
アル・フレル
それが私の名前らしい。
この場合アルちゃんなのか、フレルちゃんなのか。
アルの方が語感がいいのでアルを名乗っておくとしよう。
ホーム画面に戻ると時計が表示されているのが目に入る。そういえば今日って何月何日なんだろう。
体感だと暑くもなく、寒くもない。
初春のように感じる。
3月31日 PM4:00
まじですか。前日ですやん。
今いるのが王都以外だったら普通に入学初日から遅刻になっちゃいそうだけど。
慌てて窓を開ける。
一際目を引くのは間違いなくあの城のようなものだろう。
21世紀が舞台の世界に相応しくない建物だ。
垂れ幕も下がっている。
「4月1日まで大・大・大バーゲン中!クミズ百貨店王都本店!!」
これは王都ですわ。
なんか夢を壊されるような気がするけども。
なんであんないかにも王様が住んでそうな見た目なのに百貨店なんだよ。もはや詐欺じゃん。
ちなみに景観を気にしているのか、比較的低めだが、ビルが立ち並んでいる。もはや詐欺じゃん。
それはともかくここが王都ならまだ間に合いそうな気もするので、急いで準備する。
なんか必要そうなものをとりあえずスマホの収納箱アプリにねじ込み、マップアプリとにらめっこしながら駅まで移動する。
現在地見れるの強すぎん?さすが21世紀が舞台なだけはある。
さらっと言ってたけどスマホに鏡とかが吸い込まれて行くのはすごいファンタジーだった。
駅のホームは案の定すっかすっか、て言うか誰一人いない。
なんか間違ってないか不安になってくる。
そういう所が日本人だね。
話す相手も居ないし、入学案内をちゃんと目を通
していく。
ふむ入学の2ヶ月前から寮に入れるんだ。
あっ学園は全寮制らしい。
見た感じだと入寮に関してのお金は全部学園が持ってくれるみたいだ。
なんでこの子、アルは寮に行ってないんだろうね。
あとは基本的にはそんなに気にすることはないかな。戦闘があるよってことだけざっくりと伝えてあって、細かいことは学園に入学してから学ぶんだろう。
そうこうしてたら列車の到着時間になったらしい。
蒼と白を主軸にしたデザインで、機能美を追求しました、みたいな外見の列車が到着する。
ちなみにここ王都が始発なのだが、乗客は最終的に私1人だった。
なんか運転手さんと添乗員さんに申し訳ないです……
アルフレッド→アル・フレッド
→アル・フレッドブルー
→アル・フレル
こんな感じだったり。