レッドスライムの悲劇
スライムに異変が起き、赤色に変色した。それは、見た目だけにとどまらず、存在そのものに変化をもたらした。
――進化。
スライムは、ピンチを乗り越え、危機をチャンスに変えて見せた。その脅威度は、もはや別次元へと遂げる。
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個体名:レッドスライム〈#〉
レベル1
生命 :100万
筋力 :58万
防御 :50溝
魔法攻撃 :0
魔法防御 :1000兆
速さ :50万
運 :0
〈種族能力〉
吸収(戒)/ストック(理)
/再生(半)
〈エキストラスキル〉
獄炎
〈♪妬$魔〈#〉〉
〈#〉代償
〈称号〉
〈#〉%魅@_し#m€
進化new
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獄炎;
備考:かつて魔神が使ったとされる魔法。その炎は、触れた者の魂すらも、全て等しく燃やし尽くすと言われた。
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存在が神に近づいた。
カン
崩壊流〈捌の大刀“百花繚乱”〉
進化を遂げたスライムに、勢いを留めることなく斬り掛かった。だが、傷一つ付くことはなかった。
ありえない。
シュ
「うっ……」
痛みを快楽に感じる私が、それを苦痛に感じた。
『フニャフニャ』
なぜ痛みを感じるのか、それは分からない。だが一つ言えることは…
何だその悲鳴は。
狩られ側が狩る側になる?
万死に値する。
「キヒ、キヒヒ」
久しい痛みのせいか、思考が鈍くなる。痛み? それは快楽に変換する。そうだろ私。
私は壊れた人形。痛覚を感じるはずがないのだ。キモチイイ……キモチイイ…キモチイイ、キモチイイキモチイイキモチイイキモチイイ。
脳を壊せ。痛みを快楽に変換しろ。
斬り殺せ。斬ること・そして殺すこと。それこそ極上のデザート。
これはコースメニューだ。一品辛味を入れることで、後の甘い味を最大限に引き出すように。
死合とは、それに類する。
最初こそ驚いたが、それは私を成長させ、楽しませてくれる。
「さあ死合の始まりだ」
そして、一方的な残虐を………
「あは、あはははは。アハハハハハキモチイイ。もット、もットたのシまセロ」
この瞬間、鏡 ケンの人格は完全に消え失せた。
もはや、手遅れの段階まできていた。たとえ、もっとも親しい友人……いや、親友である咲人であろうと、その例にもれず彼を治すことは不可能。
何がいけなかったのか。スライムのレベルを上げたこと? それともステータス選び。
……ゲームを始めた事自体
理由は様々であり、そのどれもが当てはまる。
そして、そのどれかを止めていれば、鏡 ケンの運命は変わっていた可能もあった。
〈個体名スライム→個体名レッドスライムに進化しました〉
アナウンスは、私の頭に直接響いた。
そして、完全に進化を遂げた瞬間だった。
防御の桁は他の追随を許さず、一段も二段も違う。
面白い、面白すぎる。
相手がどれだけ強いかなど、もはやどうでもいい。
相手が強敵であればあるほど、その快楽は高まる。
そして、斬り殺しがいがある。
『フニャ』
カキンッカキンッカキンッカキンッ
堅い。
崩壊流の前に立ってる生を、許してはならぬ。
いま、私がやっていることは、は武術ではない。もし、武術と呼ぶなら。技は技でしかなく、歩くことすら技になってしまう。
私は崩壊流の下に、やつを殺す、純粋な力を欲している
故に。私は、力の崩壊流を求め、それを使う。
今の俺に出来ることなど、決まっておろう。それは……殺す剣つまり殺意、殺気その類の物よ
カキンッカキンッピキッカキンッ
レッドスライムの攻撃。魔法による攻撃。それは、スライムの時とわけが違う。しかし、私には通じない
初戦はスライムに過ぎず、強くなろうと、その動きは単調そのもの。
死ぬときは死に。躱し、逸らすときはそうする。
剣は斬るモノ故に……剣に斬れないモノはない。そして、もし、斬れないモノが存在するなら、その原因は、私にある。
守る剣を使うこと、それすなわち己に、迷いを生じる斬れなくなる。殺せ、迷わず殺す。殺す剣こそ、全てを断ち斬る本来の剣
『フニャフニャ』
「声を出す暇はあるのか……死ぬぞ。」
もっと、もっと。私を楽しませろ。
新しい技、新しい姿。己を高め私をさらに、追い詰めろ。
『フニャ』
レッドスライムは本能で、危険を悟ったのか。私に対する攻撃を止め、拘束しようと試しみる
腕、足、胴体……様々な部位を捕まえた
「ふむ、少しは成長したか。……だが甘い、甘すぎる。掴まれたなら、その過去を斬ればいい」
シュ
私は半身と引き換えに、レッドスライムからの拘束を抜け出した。
そして、流れるように斬りかかった。
しだいに私の半身は修復し始め。やつは傷を負い始めた
それから半日が経過したある日。
『フニャ』
さらに堅くなった
だがストックは無かった筈だ。
何を使ったか、いうまでもない。
やつめ己の全てを使ったのか。そう理解するまでに、そう時間はかからない。
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個体名:レッドスライム
レベル1
生命 :22億
筋力 :6940万
防御 :100溝
魔法攻撃 :-440万
魔法防御 :58京
速さ :9600万
運 :-10万
〈異常スキル〉
サタン
〈称号〉
進化
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少しでも、私に勝つために捨ておった。
だが、惜しい。幾ばくかの防御を上げた所で、崩壊流の前では無意味
あと1時間もすれば、攻撃が通り始めるはずだ。
その確信がある
斬れないモノは存在しない。
『フニャ』
ふざけた悲鳴だ。もはや悲鳴か怪しいぞ。
因みに、“獄炎”・“サタン”は魔法ではないよ。
神の使うのは、現象や出来事。そのものの理に関わる事象。
超越者は、理から外れた事象。
です。
まあ、使えるのと、それ等になるのとでは、また別の話になるので、レッドスライムの段階で、さらに【超越スキル】をもってようが、亜神にすら勝てないです
あくまでも、スキルの枠組にある限りは絶対に