一年
思えば一年か……
この一年間、スライムを斬り生命値を削ると、防御力が上がり、生命値回復とプールによってストックされる日々。
不思議な事に、あれ以降全ステータス50%upではなく防御力50%upになった。
私がこの延々と続く、死闘の幕開け時。
恐怖・絶望。これらの感情で心が押し潰されそうだった。だが、今はどうだ。スライムを斬る時。スライムに殺された時。そのあまりの快感に興奮し、死闘を生きがいになった。
スライムの悲鳴こそ至高の味。
私の痛みこそ至高の快楽。
だが、それも幕切れ時。
この生活に飽きてきた。死の痛みも、スライムの悲鳴も、断ち斬る
もはや、スライムからの妨害は。面白みがないくなった。はじめこそ悪戦苦闘だった、今ではスライムの攻撃力が高いにも関わらず、その動きは単調である程度を捌けるようになった。
もし、私に攻撃が当たろうと一瞬にして再生し、私には快楽を与えたにすぎない。
―――これは戦いなどと呼べようか。
否。
死闘を求める私からすると、これ遊びにすぎない。
ステータスに頼った動きは、目で追えずとも反応は容易いのだ
だから、このバカバカしい戦の幕切れ時。
「崩壊流〈捌の大刀“百花繚乱”〉」
私の放った百花繚乱は、まるで花びらが舞うように恐ろしい威力と数の斬撃をスライムに放った。
それに伴い、私の器は壊れていく。それが、今までに感じたことのない痛みへと変換され私の中で、もはやスライムは過去の物と化していた。
だから。
斬る、私の器に負荷を欠け、さらなる快感を生み出すように
『キュキュ』
「それはもう、飽きた」
スライムからの妨害を、すべて斬り生命値は、桜の花が散る、美しくそれでいて一瞬の一時のよう、減っていく。
そして
『キュ、キュ』
スライムは、最後の抵抗を諦めさらに防御力を上げた。だが……
『キュキュ』
崩壊流を前には、それも無意味。
はじめはスライムによる、戦いとは呼べない一方的な蹂躙だった。だが、1年。たったの一年で、その立場は逆転し、ケインによる一方的な蹂躙と化した。
スライムのストックは、なけなしの状態から、さらに防御力を上げたことで、何も残っていない。
生命力1割を切った時、異変が起きてしまった
『キュ、キュ、キューーー』
淡い青色だったスライムが赤色に変色してした