平和の生まれかた
どうも!flymerです!
3話までは一気に投稿しようと思いますので読んで頂ければ幸いでございます!
4話からは毎週月曜日に投稿しようと思っています!
読者様達が読みやすい!と思えるように日々精進していきますので、今後ともよろしくお願い致します!
「ただいま。母さん。」
声を細くしていった僕に母さんが近づいて聞いてきた。
「シンラ。何かあったの?」
母さんは僕の腫れた目を見ると、無言で僕を抱き寄せた。
「シンラ。何かあったかわからないけれど、おなか。
すいたでしょう?
一緒にシチュー食べましょう。」
そう囁いた母の優しい言葉にまたしても涙が溢れそうになったが、これ以上心配をかけたく無いと思った僕は弱く頷いてからシチューが置いてある机へと向かった。
シチューを食べ終わった頃には、張り詰めていた心境も落ち着きを取り戻してきていた。
そして静かに今日合ったたことを話し、母さんに尋ねた。
「母さんは僕が憎くないの?」
母さんは温かいコーヒーを2つ食卓におき、ゆっくりと腰を落とした。
僕の目を真っ直ぐに見た母さんはどこか懐かしそうに口を開いた。
「母さんが結婚した人はね。とても優しい人だった
彼は争いがすごく嫌いでいつもどうすれば人族と
仲良くなれるかを考えていたわ。
彼は確かに人族に殺されたけれど
私が怒り、人間を仇としたって
あの人は絶対喜ばないの。
だから私も彼のように生きようと思ったわ。
私には何かを変える力はないけれど
憎しみが蔓延しているこの世の中に
少しでも抗うことができればどこかで誰かを
救うことができるかもしれない」
母さんが僕の手を握って続けた。
「私はねあなたを愛しているわ。
シンラを拾った時、他の人たちは私から離れて行っ
たけれど何も後悔はしてない。
まだ子供だったシンラがこんなに立派になって
優しい子に育ったんだから。
あなたは私たちの希望なの。
人間であり魔族と暮らすあなたはいつかきっと
両者の架け橋になってくれると信じてる。
だから誰も憎んじゃだめ。誰とも争っては
いけないの。」
愛している。その言葉に涙を堪えることができなかった。
静かな森にぽつんと立つ一軒家に鼻水をささる音が響き渡る。
母さんは手の甲でぼくの涙を拭うと言った。
「シンラ後ろを見てみなさい。」
言われるがまま僕がゆっくりと振り返ると
そこにはボロボロになったジークとサーシャがワイバーンの肉を持って立っていた。
「ちょっとだけ手間取っちまったけどなんとか倒せた
ぜ。弟子は師匠を越えるってのは
正にこのことだな!」
元気な声とは裏腹にものすごく顔色の悪いジークは魔法を行使しすぎたのか、足が震えていた。
それに続くように隣のサーシャは傷だらけの体で僕に言った。
「嘘よ!コイツ"シンラ〜助けてくれ〜!"って言い
ながら私を盾にしようとしてきたの!
ワイバーンだってほぼ私の剣で倒したんだから!」
あんなに酷い事を言ったのにも関わらず、いつもと変わりようのない2人の会話に僕は今笑っているのか泣いているのか、分からなかった。
ただ一つ言えることはとてもとても嬉しかった…
「ごめん。2人とも。友じゃないなんて言って…
本当はもっともっと一緒に狩に行きたかった。
さようならなんて…言いたくなかった…。」
するとジークが僕に近づいててを肩に置き力強く握った。
「俺たちはよ森で命を守りあってきただろうが…
お前の嘘なんてお見通しなんだよ。
だからよ。明日森で待ってるからな…。」
優しく力強い言葉で感情に抑えが効かなくなっていた。
「なによ…。一方的に守られてたじゃない…。」
サーシャが涙を流しながら呟いた。
小さく"ふざけんな"と言ったジークもうっすら涙を浮かべていた。
互いに思い合い。泣き合う僕たちを見ていた母さんは微笑んでいた。
どこか悲しそうに。そしてとても嬉しそうに。
「みんなお肉焼くから手伝ってちょうだい」
母さんは袖を捲り上げながらそう言と台所へと向かって行った。
僕たちは涙を拭いてその後1週間分ぐらいありそうなワイバーンの肉を平げた。
これほどにも愛と友情で満たされた日は過去にも未来にもないだろうとか思った・・・・
(「平和のうまれかた」end…)
御愛読誠に有難うございます。
ジークとサーシャとシンラの種族関係なく信頼しあう姿は書いていてすごく熱くなれました。
次回は「王の策略」です。
お手に取って頂ければか幸いでございます!