依頼主合流直後に問題起こすのはやめて欲しい
とまあ、ぐだぐだは置いておいて数日が経ち…いよいよ出発になります。移動中おそらく食料とトイレ問題がまず勃発しそうなので食料は安めのものを買い漁っておいてアマミちゃんの異空間にいれてと。まあ、何処かで食料調達とかすると思うけど…山の中には無いと思うから。雑草食べても問題ないんだけどさ。
で、良く小説とかで忘れ去られるトイレ問題。男子は勝手にだけど…案外女子には重要でしょ!…あー、でも男子も大の方は同じかな?と言うより小説で旅している奴等がトイレをどうしているのか本当に問いかけたい。まさか、下着にそのまま出しても何かしらの力が働いて全て消えてしまうなんて言わないよね?!
トイレ騒動は行きたくなったら適当に隠れて行うで良いと思う。町中や村じゃない限り。廃棄物の持ち運びは御免だよ!
後は武器もって…着替えも持つか?結局何持ってもアマミちゃんの異空間魔法に全て叩き込めば問題ないので知りません。寝る場所は何処でも良いでしょ。マジーラさんの家にいくまでは毎日外で寝てたし。寝袋やそういうものを買うお金はありません。
「アマミちゃん?じゃあ行くよ?箒の準備は大丈夫?」
「大丈夫です!バナナ5房準備です!友達100万人計画実行です!」
目標変わってるよ!依頼内容ドワーフにバナナ売ることじゃないよ!それ商人の仕事だよ!と言うより商人もバナナ売る気無いでしょ!
「まあ、行ってこい。一応だがあくまで自分の命優先だからな?そこは忘れるな?」
「分かりました。」
「喧嘩は許さないんです!殺戮は犯罪なんです!」
うーん、なんか心配だけど…集合場所まで飛んでいきました。なお、アマミちゃんが箒に跨がって、僕がその後ろで横座りというのが定位置になっています。今後、横座りしながら読書出来るようになるのを目標にします。…移動時間も有効活用したいの!
で、目標地点がちょっと問題で…いや、地図は貰ったんだけど空高く飛んじゃうと場所が分からないんだよね、逆に。僕は場所を特定するとき誰かの力がある場所を目印として判断している。要は、今回の集合場所は人は居たとしても誰も知らない人なので力を目印には出来ないんだよね。
と言うことで、地図を見ながらアマミちゃんに時々高度を下ろしてもらいながら案内している。アマミちゃんに道案内なんか任せたら目的地が月になっちゃう可能性だってあるので僕がやるしかない。
「うん?あそこかな?荷物の荷卸しが始まっている?」
「どこですか!あ、沢山人がいるんです!友達1000万人計画進行です!」
そんなにいないよ!第一桁が勝手に増えたよ!人数も精々15人いないんじゃないかな?
「じゃあいつも通り着陸お願いね。」
「今日はあの荷物に突っ込むんです!柔らかそうなんです!」
止めろ!アマミちゃんの突っ込むは音速レベルじゃすまないから死ぬ!…厳密には結界を張ってあるので僕らは無事だけど突っ込んだ先が衝撃波やらなんやらで粉になるからやめて!
「アマミちゃん?ゆっくり降りよう?みんなビックリしちゃうよ?」
「ビックリさせた方が面白いんです!」
ビックリ以前に心臓発作で死ぬわ!…いや、その前に挽き肉か?…グロいから変な妄想するような行動起こさないで!とはいってもちゃんとゆっくり降りてくれました。感謝。
「到着したんです!何してるんですか!」
到着早々箒を異空間に閉まって突っ込んでいくスタイルである。僕には真似できないけど、会話する切っ掛けを作ってくれるのはありがたいんだよね。
「あ?見てわかるだろう?荷物を纏めてるんだ。ガキはあっち行ってな!」
「ムー!ガキじゃないんです!魔女なんです!酷いんです!」
「魔女かなんだか知らねえが今忙しいんだ。どきな!」
「ウワーン!酷いんです!お兄ちゃんに文句いってくるんです!後で肉片になっても知らないんです!」
怖いな!アマミちゃんまだ12歳ぐらいだよね!見かけなんて10歳ぐらいだよね。…なんかアマミちゃんって会ったときから年をとったような気がしないんだよね。ずっと同じ容姿と言うか…。
「お兄ちゃーん!あの人が虐めてくるんです!酷いんです!肉片にするんです!だけど殺しちゃいけないんです!断片レベルで生かしておくんです!」
怖いわ!そんなゴズゴズにしたら死ぬわ!生きてる方がビックリだよ!
「うーん、作業している人は無視しよう。確かここが集合で間違いないから…うん?誰か来たよ?」
よくよく見てみると体型がポッチャリした男性がこっちに向かってくる。
「君たち?今空から来たのか?」
「違うんです!飛んできただけです!魔女は飛ぶんです!」
飛んだも空からも同じでしょ!後、魔女が飛ぶかどうかは定かじゃないからね!アマミちゃんだってあくまで箒に乗ってるから空飛んでるだけだからね!
「まあそんな感じです。それよりこの依頼主を知りませんか?」
魔女なり空飛ぶなり追求されると面倒くさいので話を変えます。
「うむ…?ああ、それは私の依頼だな。確か若いのが2人来るって聞いていたがお前たちのことか。あー、大丈夫だ。集合時間は過ぎちゃいない。ただ、早く来てもらった冒険者にはもう馬車に荷物の搬入を頼んでいるだけだ。それより話を変えないでくれ。空を飛んできたのは本当か?」
「ムー!魔女は空飛ぶんです!何がいけないんですか!」
「魔女?…魔女ってあの魔女か?」
「そうです!あの魔女です!最強なんです!」
あの魔女って誰?少なくともアマミちゃん分かっていないよね?!
「魔女ってことは何だ?俺たちの荷物をごっそり持っていこうという算段か?」
あ、こりゃまずい。
「すいません。この子は見てわかる通り子供です。今魔女にはまっていまして…実際に魔術師なので魔法は使えますけど。」
「ほう。…まあ、確かにこんな子供が魔女な訳ないか。」
「ムー、お兄ちゃん酷いんです!魔女なんです!最強魔女なんです!」
「ハハハハ…すまんすまん。魔女の女の子なんだな。こりゃおじさんが悪かった。だから泣きそうな顔するな。で、見たところ君は剣士といったところか?」
「はい。共にCランクの冒険者です。僕はミズハでこの子はアマミちゃんです。よろしくお願いします。」
「おう、分かった。じゃあこっち来てくれ。仕事について説明する。にしてもその若さでCランクか。期待のルーキーと言ったところかな。ワッハッハ。」
フー、何とか誤魔化せたみたい。魔法使いは魔女と聞くと崇めるし人間は魔女と聞くと警戒するし立場ないな。