なんとか収入源を確保できました
「…あー、そうだ。で、本当に空を飛べるのか?私は最近事務作業だらけで外にあまり出ないから目撃したことがないのだ。」
「これで飛べるんです!乗ってみるんです!」
そこで、ドンとばかりに箒を出さないで!結構大きい箒だから意外に邪魔になるよ?
「これは箒か?まさか、お伽話じゃあるまいし…」
マスターはアマミちゃんから箒を受け取ってまじまじと見ている。で、回りを見ているとなんか色んな冒険者がこっちを見ている件。…あー、余計な依頼を受けてしまった件。次から冒険者ギルドに入ったらすぐに出よう。
「これで飛べるのか?」
「跨げば飛べるんです!ここで乗っても良いんです!」
「すいません。本当に飛ぶと天井に頭をぶつけると思いますので外に出た方がよいと思います。」
「それはそうだな。少し借りるぞ?」
ギルマスが外に出ると…ねえ、僕らが外に出る前になんで他の冒険者がゾロゾロ外に出ていくのかな?!と言うより受付嬢まで出ていったぞ!仕事放棄だろ!
まあ、外に出ます。
「で、乗り方はどうすればよいんだ?」
「跨いでビュンで飛べるんです!簡単なんです!」
ビュンで飛べるってどういうこと?!そう言えば、この箒って魔力で飛ぶみたいだけどアマミちゃんはどうやって箒に命令出しているんだろう?前練習したときも、騒がしかったとは言え箒に命令するところはあまり見ていないけど。
「ま、まあ…物は試しだ。どれ?」
で、マスターが箒に乗ってジャンプすると…なんと言うことでしょう。そのまま尻餅を着きました。
「痛!飛べたか?」
飛んでないと思います。重力に引っ張られただけだと思うよ?
「大丈夫ですか!箒さんにドスンは駄目なんです!折れちゃうんです!」
言ってることは正しいけど良いかだが酷いよ?!あんた重いから乗るなって言っているようにしか聞こえないよ!
「もう一度だ!」
やけに張り込んでるな!で、何回も試しても箒は飛ぶことなく箒に跨がったままジャンプを繰り返すだけの状態に。やがて疲れたのか、箒をアマミちゃんに返した。
「ハァハァ…駄目だ。全く飛べる気配がない。本当に飛べるのか?」
「箒さんが疲れたって言ってるんです!今日はもうお仕舞いなんです!」
箒は疲れないんじゃないかな?と言うより野次馬が結構増えてきたよ!まあ、ギルドマスターが普通の箒にまたがってジャンプを繰り返していたらそりゃ色々集まるよね。
「じゃあお腹が空いたんでそろそろ帰るんです!バナナを取りに行くんです!」
そう言えばあっちのテーブルに色々起きっぱなしだったな。僕も回収しにいく。で、再びドアから外に出るとまだ野次馬がたむろしている件。ギルマスは相当疲れたのか側にある石の椅子に腰かけている。
「なあなあ、本当にこれで飛べるのか?」
「飛べるんです!何ですか!何か酷い目で見られた気がするんです!」
「じゃあ一回飛んでみろよ。」
「アマミちゃん?飛ぶなら僕も乗せて?現状アマミちゃん一人だとどこへいくか怪しいから。」
「分かったんです!バナナを食べ過ぎたんです!このまま家に帰るんです!」
さっき見たら一房なくなっていた件。で、僕もギルマスも食べていない。牛乳も飲まなかったからアマミちゃんの異空間にしまってある。…食べ過ぎだよ!そんな食べても意味ないよね!
「離陸準備です!」
「あ、了解。」
これは離陸なのか?いや、言語的に正しいと思うけど…なんか違う気がする。
「お兄ちゃん!方向が分からないんです!こっちですか!」
アマミちゃん?どんなに場所がわからなくてどんなに適当に指を指すとしても…目的地が真下にあるとは思わないよ?
「方向はこっち。運転は任せる。」
「じゃあいくんです!ピィーピィーピィー、ゴーです!」
その効果音要らないよ!どこぞのゲームだよ!あっという間に上空へ行き森の木々よりも上にいった。下を見ると、うーん、たぶん野次馬がこっちを見ていると思うんだけどもう小さすぎて良くわかりません!既に手続きも終わっているしこのまま家に帰ります。
まあ、色々あったけど依頼とれたし大丈夫でしょ。で、帰宅して…マジーラさんに報告。魔法使いの癖してやけに冒険者詳しいんだよね。
「ほう。依頼料一人15万Gと来たか。往復一週間程度の護衛。行き先は…ドワーフの村だと?なんだ、今の人間共はドワーフとも取引してるのか。」
「ドワーフってなんですか!」
「まあ、簡単に言えば小人族だな。とは言え、平均1m強はあるから誤って踏み潰すと言うとこもあるまい。」
なんか頭からグロい発言しないで!
「うーむ、とは言え護衛で泊まり込みつきで食費代とか全て考えると何だか安い気はするが…まあ、これぐらいが相場なのかもしれんな。詳しくは分からん。ただまあ、週で15万も稼げるなら充分と考えるべきか?」
僕もそこら辺良くわからないんだよね。ただ、少なくとも護衛中や休憩中にアマミちゃんが色々薬草とかを採取してくれれば追加が入るんじゃないかなと考えた上でこれにした。護衛中に脇道それるのはダメな感じがするけど…まあ、今回は考慮にいれない。
「集合場所は…っと、王都の出入り口か?場所はわかるか?」
「地図に書いてあるので大丈夫だと思います。確かそこで荷物搬入して向かうとか。まあ、一週間ぐらい開けると思うので…寂しくて孤独死しませんよね?」
「するか。全く…ああ、そうだ。アマミ?学校には休むことを伝えておいてくれ。出発は5日後らしいからな。」
「学校ってなんですか!」
えええ…もう通ってるじゃん!それでまだ理解していないの?!
ここで一回一区切りです。魔女のトンデモ行為はまだまだ続きますw。