男装がバレた?!
さて、アマミちゃんもアゲちゃんも寝ちゃったし…風呂場でプカプカ浮いているから絵になるのか死体に見えるのかは謎だけどね!…僕はどうしようかな。若干のぼせている気がするので裸のまま風呂から上がって階段を上っていく。
小屋に着いたらそこで伸びてみる。地下とは違い地上は夜の外気をそのまま受けるため地味に涼しくて気持ちいい件。この小屋鍵ついてるし窓はないので見られる心配もない。光球があるので明るいし山の中なのによい休憩場所になっちゃってる件。
あ、そう言えばタオル無いかな。確か体を拭ける様にするためにアマミちゃんの異空間にタオルとかバスタオルとか突っ込んでいた気がする。流石にフロは予想外だったけど、少しぐらい清潔にしたいじゃん?
浴槽に戻って、風呂に入りアマミちゃんに聞いて見る。てか、アマミちゃんこそ風呂場で寝ていてのぼせていない?!
「アマミちゃん?起きて?あまりお風呂で長居すると体壊しちゃうよ?」
「うーん…良く寝たんです!…え、体バラバラになっちゃうんです!死んじゃうんです!出るんです!…うわ…!ブクブク…」
ちょっと、急に動くから沈んじゃってるよ!アゲちゃんも急にお湯に当たりビックリしたのかアマミちゃんの魔女の帽子が置いてある方に飛んでいった。
「大丈夫?!」
アマミちゃんの腰辺りを持って引っ張りあげる。人間ってパニックになれば数十cmの深さの水でさえ溺れ死ねる。油断は命取りだから注意だよ!
「た…助かったんです!流石お姉ちゃんなんです!…腰を握られてるんです!エッチなんです!」
折角助けたのに変態扱いかよ!酷すぎるよ!泣いちゃうよ!で、アマミちゃんを風呂の中に立たせる。
「アマミちゃんはのぼせていない?確かタオルとか持ってきていた気がするんだけどそろそろ出よう?」
異空間の容量は魔力量に依存する。アマミちゃんの魔力は魔術師の1000000倍なので容量はほぼ無限と言ったところ。荷物運びにはもってこいである。なお、アマミちゃん、服を着れば魔力と魅了が1.1倍というチートをカオスにする恐ろしいアイテムを常に身に付けているから更にえげつないな。
「暖まったんです!タオルは有るんです!出すんです!」
出すのは嬉しいけど、お風呂の上に出すな!みんな濡れちゃうじゃん!反射で動いたので上の方にあったタオルやバスタオルは無事だった件。良かった。
「じゃあまあ、出よう…」
上の方でドアを叩く音が聞こえた件!あれか、小屋のドアか?
「誰か来たんです!不味いんです!このままだと裸の私が公共の場に晒されてしまうんです!そのまま売られちゃうんです!どうしてくれるんですか!」
その発言、さっきトイレするとか言った時にほぼ素っ裸で花畑走り回っていた子が言う台詞か?!大体、それで売られる原因がどうして僕なの!僕人身販売してないよ!
「とにかく出た方がいいかも。僕先に出るね。アマミちゃんも出るんだよ?長湯は毒だよ?」
まあ僕も、アゲちゃん観察とかで20分近くお風呂に浸かっていたけどね!お風呂って気持ちいいから何だかんだで長風呂になっちゃう件。
と言うことで、僕はお客様対応に追われる羽目に。待たせるわけにはいかないので、バスタオルだけを羽織って小屋の出入り口に向かいます。
「誰?」
鍵開けて扉を少し開けて隙間から覗き見すると女性の冒険者が一人立っていた。
「ミネガルさんよりそろそろ食事の準備が出来るからと伝言があってお伝えに…彼女もちょっと過激すぎたと反省しているし機嫌を直してもらえると…え?」
え?ってなに?!なんか冒険者に上から下まで全身見られているよな…あ、そう言えば急に声かけられたからタオル一枚だっけ。
「あ、わかりました。いま入浴中だったのでこのような格好ですいません。もう少ししたら上がりますので…」
「それでしたらミネガルさんがこの小屋にお風呂があると思うと仰っていたから分かるのですが…あの、ミズハさん。ミズハさんって女性だったのですか?」
え、女性?どうしてばれてるの!だって僕男装しているし…ってしまった!急に出てきたからタオル一枚だけだし、それより第一帽子を被っていなかった!体つきだって服装でごまかしている部分もあるから上半身からタオルだけじゃ流石にきついか…。
いや、毎度恒例髪の毛縛って風呂には入ったんだけど…もう出るからってつい、いつもの癖でほどきながら出てしまった件。帽子に髪の毛突っ込むときはゴムとかで縛らないでそのまま髪を叩き込んでるんだよね。そもそも縛るのは風呂に入るため専用であって、帽子に突っ込むときに縛ったままだと逆に上手く入らない。
「あ…う…すいません!」
ドアを開けて女性冒険者を強引に小屋の中に引っ張り混む。で、ドアを閉める。
「え…あの…」
「すいません。僕は訳アリで男装しているんです。誰にも話さないで下さい。よろしくお願いします。」
訳アリって言っても、虐められないためと正体隠し位しかないけど。
「あ…わかりました。誰にも話しません。」
「有り難うございます。」
誰かにバレたと言うことはそのうち漏洩しそうな気がしてなら無いが…その時はその時でまた考えることにする。




