魔物もペットにするそうです
「アマミちゃん?その蝶のお世話出来そう?」
「アゲちゃんなんです!一緒に遊ぶんです!」
「アゲちゃん?」
「メガアゲハでアゲちゃんです!捕まえた蝶々は一生懸命お世話するんです!」
「と、言っていますけど任せても良いんじゃないですか?」
「とはいっても魔物と言うことには変わりないし。」
ミカオさんは考え込んでしまっている件。
「まあ、問題ないんじゃないか?見ている限り害はなさそうだ。」
ミネガル先生が意外なことを言い出した件。
「良いんですか?」
「流石ミネガル先生なんです!分かってるんです!今日は花火大会するんです!」
どうやってするんだよ!ここ山中だよ!山火事になるわ!
「花火大会はしないぞ。ただ、本人がそこまで言っているんだ。多少気になる部分もあるがまあ平気だろう。」
「うーん。まあ、アマミさんの先生でもありますし考えるところもあるのでしょう。分かりました。ただ、万一があったらどうしましょうか?」
「その時は普通の魔物として対処すればよい。どのみち遭遇してしまったことには変わりないからね。出来る限り戦闘にならないように対処した、そう商人には伝えておこう。」
そう言って馬車から出ていった。多少気になるとか言っていた気がする。それにミネガル先生の割に結構すんなりだったね。何かありそうな気がする。ミネガル先生の教育者としての勘は結構鋭いんだよね。
「蝶々さんお世話するんです!なにすれば良いんですか!」
いやいや蝶に聞いても駄目だろ。アゲちゃんはアマミちゃんの帽子に止まってゆっくりしている。
「魔力を食にすると言っていたね。アマミさんが触れれば魔力を吸収するのかな。」
「そうかもしれません。アマミちゃん、アゲちゃんだっけ?を手に乗せてみたらどうかな。」
「やってみるんです!」
アマミちゃんがアゲちゃんに手を近づけるとその上に乗っかった。良く良く見ていると蝶の口の部分をアマミちゃんの手につけている。…蚊じゃねこれ。
「因みに吸われている感じはする?」
「良く分からないんです!」
力の変動を調べてみるとほんの僅かだけアマミちゃんの魔力が蝶に移動している気がする。魔力を吸うとか言っていたけど、莫大な量を吸うとかじゃないみたい。これなら安全である。吸われた魔力は少しすると蝶の魔力に変換されるのか。うーん、この蝶も観察すると面白そうだね。
「僕自身もこのアゲちゃんに興味が出てきました。観察日記でもつけようかな。」
「レアな魔物ってミネガルさんも話していたし良いと思うね。さて、私は少し仮眠させてもらうよ。」
と言うことでメガアゲハことアゲちゃんは受け入れられることになりました。…これが吉と出るか凶と出るかどうなのかな。
で、暫く移動すること数時間。いよいよ夜になった。その為、ある程度開けたところで野宿…森の中での夜、真っ暗闇…
「暗いんです!明るくするんです!」
と、毎度恒例アマミちゃんの光球によって半径数百メートルは遠くまで見渡せるほど明るいです。で、回りから物凄い目で見られた件、何故なのか。
「えっと…これは何かな?」
「明るくしたんです!真っ暗は嫌なんです!」
アマミちゃん?ミカオさんはそういうことを聞きたいんじゃないと思うよ?後、暗くてもマジーラさんの家の中ならそんなに騒がないし光球なんて放たないよね?
「夜は何も出来そうにないからここで待機にしようと考えていたけど、この調子ならもう少し先へ進めるかな?」
「やめておけ。馬も人間も一日中山道で疲れている。無理して進んでも命落とすだけだぞ?」
ミカオさんがブラック発言したところをミネガル先生が止めてくれた件。アマミちゃんが光球なんて放たなければ確実的に休憩なのに…便利になると却って理不尽を押し付けられるのはどうなのでしょうね?
「お兄ちゃん!約束なんです!一緒にお風呂に入るんです!一緒に寝るです!」
「えっと、お風呂ないけど?」
「どうしてですか!お風呂は付き物なんです!持ってくるです!」
無茶だろ!どっから持ってくるの!しかもここ山の中だよ!
「見回りはどうする?」
「定期的交代で就寝を予定しています。…アマミさんは例外で異論はありませんか?」
アマミちゃんは幼いから見張りからは外されるらしい。僕は見回りか…面倒くさい。前、旅で野宿していたときは寝ている間も力を展開してヒットしたら起きるという算段を取っていた件。勿論、完全な就寝に比べると寝付きはあれだけど、力を展開した後は基本寝るだけだから起きているよりは負担が少ないんだよね。それで良くね?




