表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/47

魔物に取り憑かれた魔女

「…で、確か毒キノコだったと思ったんだけど。運良く見つけれたとしても加工には別の技術が必要だから無難に素材として売った方が良いんじゃないかな?」

「レアキノコなんです!持ったりないんです!後はお兄ちゃんに食べさせるんです!」

「え?」


 だから殺す気か!ほら、ミカオさんドン引きしちゃったじゃん!


「アマミちゃんはそんなことしないので大丈夫です。それよりこの蝶についてなんですけど…」

「ミカオさんには尻尾モフモフ料金を払っていないんです!このバナナとキノコ1つずつ上げるんです!」

「え…えっと…尻尾を触らないで欲しいが本音なんだけど、このキノコ1つだけでもかなりの金額になるけど。」

「すいません。蝶の話に戻したいので貰ってあげてください。ご迷惑料と言うことで。」


 またメタ発言って言われそうなんだけど、アマミちゃんのペースになると話が進まなくなるからやけくそに対応した方が良いんだよね。これ鉄則、テストに出るよ!


「あ、ありがとう。お礼はまたするよ。」

「お礼は尻尾モフモフなんです!ウワーイ、モフモフなんです!」

「や、やめてくれ…!」


 はいもう撤収撤収!話が進まん!アマミちゃんを強引に引き離して後ろから抱き抱える形にしました。アマミちゃんの帽子に蝶が止まっているため前が全く見えません。今までは帽子の肩越しに見てたんだけど。


「す、すまない。ちょっと待っていてください。仲間の誰かがその蝶について知っているかもしれないからね。」


 と言うと、ミカオさんはまた出ていった件。忙しいなあの狼獣人。これがリーダーなのかな?…いや、だったら僕は何?


 ミカオさんがいなくなったのでアマミちゃんを離すと帽子を脱いで蝶を観察し始めた。蝶は羽を動かすものの帽子から動こうとは一切しない。不思議なものである。


「なんだい?またアマミが変なもの持ってきたのかい?」


 少ししたらミカオさんがミネガル先生を連れてきた件。


「うん?これは、メガアゲハの一種じゃないか?!なんでこんな珍しい魔物がこんなところにいるんだい?」


 メガアゲハ?…またレアケースかよ!アマミちゃんくじ運おかしいでしょ!


「ミネガルさん。この蝶も魔物なのですか?」


 ミカオさんは魔物というのが気になるらしい。まあ、危険だからね。


「ああ、蝶の分類の中でもひときわ魔力を多量に持ったものと言われている奴だ。こいつらは戦闘に向いていないから襲ってくることは殆どないし、第一隠れているから滅多に見れるものじゃないんだがな。とは言え、蝶との違いとして食べ物…まあ、主食か…は、花の密ではなく魔力の蜜だ。」

「魔力の密?」


 思ったことがポロット口から出た件。


「簡単に言えば生き物の魔力を密の代わりとして吸って生きている魔物だな。基本は植物に含まれる微量の魔力を吸っているらしいが、生き物に寄生するとその生き物の魔力を吸う…まあ、そんなことは本来あり得ないんだが。」

「どうしてあり得ないんですか?」


 今どう見てもアマミちゃんに寄生しているようにしか見えないんだけど!


「さっきも言っただろう?戦闘に向いてないと。寄生すると言っても生きている獲物に寄生したところで追い払われるか殺されるかの落ちだ。こいつらは魔物ゆえ頭が良いから基本は抵抗しない植物に限られるわけだな。

 ただ、稀にリスクをとるものもいるようだがな。何しろ静止している植物よりも動いているやつらの方が魔力は多く含まれる。まあ、魔力を持っていない生き物には寄生するはずもないが。」


 要は、一般人は魔力を持っていないけど魔術師は魔力を沢山持っているから寄生する可能性があるということかな?


「ということは、この魔物はリスクを取った魔物ということで正しいのかな?」

「そう言うことになるな。ただ、明らかに安全な植物を捨ててまで寄生するとなると一体どういうきっかけなのか。」


 僕なりの解釈ね。アマミちゃんの魔力が莫大すぎて寄生しちゃったんじゃないかな?


「しかし、ミネガルさん。即ちこの魔物はアマミさんの魔力を吸い取っていると言うわけですよね?大丈夫なのですか?」

「うーむ。私も教員ということで得た知識だけであって実例を見るのは初めてだし。それに、メガアゲハも戦えない訳じゃない。蝶も羽にリンプンを持つようにこいつらも羽を動かしてリンプンをばらまいて攻撃するらしい。知っての通り蝶の中にはリンプンに毒を含むものもいる。そこいらの蝶の毒など人間にはたかが知れているが魔物となると訳が違うぞ?」

「と言うことはやはりアマミさんに寄生しているとは言え逃がした方が良いのでしょうか?」

「うーむ。現状大人しくしていることもあるし、逆に下手に刺激をして戦闘になった方が大変だ。まだ、今がフリーなら良かったが商人等もいる。戦闘で荷馬車を傷つけるわけにもいかないだろう?それこそ山賊や盗賊、魔物が襲ってきたなら話は別かもしれんが。」


 なんだが難しい話が続いちゃっている件。見ている限り刺激しなければ問題ないと思うけどなぁ。やっぱり魔女同様魔物も魔物と言うだけで危険物扱いなのだろうか?なんだか悲しい世の中だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ