女子の腕相撲って僕の知っているのと違うの?
「うんにゃ?素材売りかい?」
「はい、よろしくお願いします。」
「ちょいとまってな。」
カウンターのおじさんが品物を見始めた。
「こりゃまた珍しいものを色々持ってきたな。総額は75000Gだ。持っていきな。」
「有り難うございます。」
ふと思ったけど、アマミちゃんが適当に素材を採取すればお金勝手に貯まっていくよね。今回の依頼受けなくても良かったんじゃ?どうせ今回の収入は2人で30万G。既に品物売ってその1/4は回収しちゃったよ?
「何してるの?」
「ぐぬぬ…アマミさんに魔法では勝てませんわ!ですので腕相撲で勝負ですわ!」
「キャー!シャロルさん強いんです!腕が折れるんです!」
展開不明だけど知らないうちに腕相撲が始まっているよ?なお、シャロルさんが優勢とは言え女の子同士の普通の腕相撲である。腕が折れるわけない。
「こ、こうなったら最終手段を使うんです!」
「最終手段ですの?!魔法は禁止ですわ!」
「右手が使えない今、左手で擽るんです!」
「あ、ヒャヒャヒャ…それは卑怯ですわ!」
おい、相手の腕を擽る行為は絶対に反則だぞ?
「私も擽りますわ!」
「キャー!エッチなんです!シャロルさんの反則敗けです!私の勝ちです!」
なんだかくだらなくなってきたので無視します。
「じゃあそろそろ戻りたいんだけど…因みにシャロルさんはどうしてここに?」
「お兄ちゃん!次はお兄ちゃんとやるんです!」
「私は定期的にギルドでDランク依頼を探していますわ。学校の実践だけでは物足りないですわ。」
うわ、ガチ勢じゃん。いや、良いことなんだけれども…どうも世の中努力って報われない感じな気がしてならないんだよね。第一アマミちゃんとシャロルさんが典型例みたいな?
「どういった依頼を探しているの?」
「シャロルさんー!お兄ちゃんが戦ってくれないんです!酷いんです!」
「基本は討伐ですわ!魔法の練習ですわ。たまに依頼より強い魔物もついでに退治しますわ。」
それって良いの?!ランク制度ぶち壊しじゃん。いや、僕の常識が間違っているかもしれないからあまり言わないけどランクって冒険者が安全に魔物と戦えるようにつけられたものだよね?ランクDがドラゴンとかに喧嘩売って良いのかな?
「アマミさん?ミズハさんは剣術の先生を一網打尽にした英雄ですわ。そんな怪力の持ち主と腕相撲しても勝敗が見えすぎていますわ。」
「やってみないと分からないんです!ミズハさんには守られてばっかりなんです!今日は恩返しなんです!」
恩返しで腕相撲って意味わからないけど…というか大分時間が経ったな。飲み会とかあるなら後1時間程度で帰らないといけないかも。
「うーん、じゃあ手加減してで。」
「全力でいくんです!強化魔法も使うんです!」
殺す気か!アマミちゃんの魔力一般人の1000000倍あるんだよ!
「確かに強化魔法付きでは分かりませんわ。1度見てみたいですわ。」
「…じゃあ、簡単に。」
「やったなんです!打倒お兄ちゃんです!」
…と言うことで、戦いました。僕が勝ちました。以上。…いや、それしかないからね。変な期待しないでよね!
「ムー!勝てなかったんです!本気出しすぎなんです!犯罪です!今日は抱っこして貰うんです!」
今日やったか覚えていないけど結構アマミちゃんは抱っこしている気がするけど。
「おいおい兄さん。そんな子供と戦ってても面白くないだろ。俺とバトらねえか?」
あー?また変なのに絡まれたんだけど。見たところかなり筋肉粒々のお兄さんである。
「おいおい、近々王都で腕相撲大会があるから練習してるったって見ただけで勝敗わかる奴と喧嘩してどうするんだよ。」
「腕相撲大会?」
「聞いたことありませんこと?約2ヶ月後に王都で腕相撲大会チャンピオンシップがありますわ。魔法の使用も可ですわ。但し、腕相撲以外の攻撃は禁止ですわ。まあ、強化魔法か相手を弱体化するくらいしか方法はありませんわ。
優勝賞金は100万G、準優勝でも50万G、他ベスト8でも10万は貰えるので腕に自慢のある方は申し込んでいますわ。」
「シャロルさんは出るんですか!腕に噛みつけば勝てるんです!」
それは反則でしょ!
「私は魔術師ですので出ませんわ。そもそも強化魔法はそれほど得意ではありませんわ。アマミさんも魔術師ですので出ないと思いますが…ミズハさんは剣士ですので出てみる価値はあると思いますわ。」
賞金100万Gか。腕相撲なんてどうでも良いけど、貧乏クジから逃れるためにはやってみる価値あるかな?
「ムー!シャロルさんが参加しないなら嫌なんです!噛みついたり擽ったり出来ないんです!反則なんです!」
何その反則できないから参戦しないみたいな理由?!不参加理由が滅茶苦茶だよ!
「うーん、お金には興味はあるかな。だけど凄腕ばかりじゃきつそうかな。」
おい、お前ならどうせ優勝だろって突っ込むな!僕は男装していても可愛い…いや、か弱い少女だからね!
「そんなことはさっきの嬢ちゃんじゃないが戦ってみないと分からないぜ?なんなら俺と戦ってみな。俺を満足させれれば勝てるチャンスはあると言っておくぜ?」
「そうなのですか?」
「ああ、それは俺が保証する。そいつ腕相撲ガチで強えぜ。」
マジか。うーん、だけど僕が戦ったら僕の理不尽の強さを見せびらかすことになりそう。相手筋肉粒々だし。
一括投稿疲れたため、今回はこの辺で一回投稿を中断します。因みにちょうど今、腕相撲大会の予選について執筆中だったりします。




