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小さい魔女はわがままが多いです

「アマミさん?お願いがあるんだけど、護衛や依頼実施中は勝手に何処かに行かないで貰いたいんだけど約束できるかな?」

「どうしてですか!誰にも迷惑かけていないんです!それじゃ、せっかく道端に薬草やキノコや飴玉やガムが落ちていても食べることができないんです!どうしてくれるんですか!」


 いやいや、飴玉やガムが落ちていても勝手に拾って食べないでよ!お腹壊すよ!


「どうしてもと言われても、何処かに行かれると皆が心配するからだよ?」

「だったら心配しなければ良いんです!魔女は最強なんです!心配なんて要らないんです!」

「魔女?」


 おっと、また墓穴しゃべった!


「すいません。アマミちゃんは今魔女に嵌まっていまして…先程も話しましたが魔術師です。魔術師が空を飛べるかどうかは分かりませんけど。」

「魔女なんですー!ミズハさんに否定されたんです!!酷いん…です…ウワ…ーン!」


 あわわわ!泣かないで!


「み、ミカオさん?少しここで待っていて貰って宜しいですか?アマミちゃん、ちょっと上空へ飛んで。雲の上ぐらい。」

「ウワーン!!」


 10秒で雲の上にいく辺りこれはどうなのか?風圧とかは結界があったけど慣性の法則で酷い目見たよ!


「あ、アマミちゃん?僕はアマミちゃんのことを魔女って信じているし、1度も疑ったこともないよ?だから泣かないで?」

「だ…だってお姉ち…ゃんさっき…は違うって言ったん…です!」

「ごめんね。ただ、流石に関係ない人に本性を教えるわけにはいかなくて…ほら、アマミちゃん?前、冒険者ギルドでお金寄越せって脅されたことあったでしょ?あの時、アマミちゃんどう感じた?嬉しかった?悲しかった?」

「恐喝された…んです!怖かった…んです!酷か…ったんです!どうし…て忘れたいこ…とを思い出させ…るんですか!」

「うー、それもごめんね?だけどアマミちゃん?アマミちゃんが魔女ってことがバレるともしかしたら毎日あのような連中に襲われちゃう可能性もあるから。」


 そう言いながら、アマミちゃんの頭を撫でてあげる。実際アマミちゃんの頭を撫でるのって難しくて、魔女帽子被っているから1回取ってもう片手で撫でる形である。面倒くさいときにはアマミちゃんの帽子を被っちゃうのもありだったり。魔女帽子は結構大きいから僕が自分のキャップ帽子を被っていてもそのまま被れちゃうんだよね。


 しばらく沈黙が続いたけど、アマミちゃんが落ち着いてきて…


「魔女は魔女なんです!嘘はつかないんです!だけど、お姉ちゃんが信じてくれていることは分かったんです!だからお姉ちゃんを食べるんです!」


 そうやって僕の腕を噛みついてきた件について。どうしてこうなった?とはいってもアマミちゃんが落ち着いたようなので良しとしよう。うん、片腕の犠牲くらいつきものだし。


「じゃあアマミちゃん?ミカオさんを待たしているから降りようか?あ、さっきよりゆっくり降りて?僕の体の負荷が大きい。」

「分かったんです!後で一緒にお風呂に入ったとき擦るんです!」


 だから、今日から野宿だからお風呂ないよ!…はぁ、たまに思うけど僕は男装しているとは言え少女の分類だからまだ良いけど、これで僕が本当に男の子だったら大変なことになるよね…。


 と言うことで帰りはゆっくり…でも20秒かからない辺りどうなのかは疑問だけど…降りました。方向は僕が指示しているので問題ありません。で、ミカオさんは腰をさすっている件。


「あ…漸く戻ってきてくれたんだね。心配したよ?」

「色々ありまして、待っていただきありがとうございます。アマミちゃんも落ち着いたので大丈夫です。行きましょう。」


 と言うことで帰路に着きます。


「それにしても急上昇したときには驚いたなあ。反動で尻餅をついてしまって…腰がまだ少し痛い。」


 逆に言うよ。アマミちゃんが急上昇したときはかなりの反動があったはずだよ!結界張るために少しだけ高くなったら直ぐに急加速してくれたからねこの子。尻餅で済む辺り、獣人は人間よりも頑丈なのかな?


「怪我しているんです!治療するんです!」


 で、アマミちゃんが手を向けると若干光輝いてもとに戻った。


「お…え?腰の痛みが無くなったよ。」

「アマミちゃんは回復魔法が得意ですので。道中お役に立てば良いのですか。」

「これはすごい。…と言うより無詠唱魔法で打てるのか…。この子も期待の新人かな…。君も私より早く走れるし、君達なんだか色々すごいね。既にCランクなのも頷けるよ。」


 ミカオさんが半ば半目でこっちを見てきたんだけど何故なのか。なんか最近こんな目線ばかり受けてる気がするんだけど?!


「まあ、回復アイテムは限られているから、一人でも回復魔法を使える魔術師がいるだけで全然効率が変わってくるからね。」


 まあ、役には立つとは思う。問題は発動条件がアマミちゃんの気分ということと、敵味方関係なしに打っちゃうことかな。


 豆知識だけど、アマミちゃんの学校の先生の話によると回復魔法は攻撃魔法より難しいらしい。ほら、物理的にものを壊すのは簡単でもそれを綺麗に戻すのは難しい的な?適当に治すと却って悪化するらしい。…アマミちゃんは毎回超適当にしか見えないけどね!


 後、ギルドの話だと無詠唱魔法が打てるようになると殆どBランク相当レベルらしい。詠唱しないと言うことは基本的に魔法の威力が弱すぎて発動しないなり発動しても機能しないが鉄板なんだって。アマミちゃんは常識をぶち壊すのが好きだからしょうがないね。僕?僕はか弱い女の子です、男装してるけど。

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