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冒険者の漫才も地味に面白いかも

「ちょ、これはどう言うことだ?!」


 なんか向こうで雄叫びが聞こえる件。うーん、予想が出来たので僕は知りません。もう一度、知りません。重要なことなんだから2回も言ったよ。だからなんで商人はこっちに来るの!


「あ、ミズハ君だったかな。ちょっと来てくれ。」

「なんですか?と言うよりアマミちゃんも連れてきた方がよいですか?と言うより荷物が無くなっているんだったら理由はわかりますのでここで説明しますよ?」

「理由を知っているのか?!」

「知っているもなにもアマミちゃんが散々私が全部持っているって叫んでいたじゃありませんか。そのままです。」

「だ…だが、あの子はなにも持っていなかったじゃないか?」

「でもなにも持っていなくても現に貴方の前で荷物を出していましたし…荷馬車に荷物を沢山出現させて詰め込んでいましたよ?」

「それはそうなのだが…じゃあ、今消えている荷物は何処へ行ったんだい?」

「えっと、アマミちゃんが持っていると思います。なんならアマミちゃんを呼んできましょうか?すぐそこで蝶を追いかけていますし。」


 なんか商人さんが顔をしかめたまま硬直しちゃったんだけど、どうかしたのかな?うーん、少なくとも僕はなにもしていないはずなんだけど。


「おーい、荷馬車を持ってきたぞ!」


 うん?あ、なんか複数の馬と荷馬車を誰かが持ってきたみたい。たぶんあれが仲間の商人かな?…知らないうちに他の冒険者も集まってきている。


「あ、すまない。あの嬢さんを連れてきてはくれないかい?荷物を搬入したいんだが。」

「分かりました。ちょっと待ってください。」


 …って、アマミちゃんいないし!どこ行ったの!…なんで空中にいるの!蝶追いかけるのに空飛ぶ奴初めて見たよ!


「はぁ…アマミちゃん!降りてきてー!お仕事だよ!」


 少ししたらアマミちゃんが降りてきた件。


「酷いんです!蝶々に逃げられたんです!今日はミズハさんとお風呂に入らないと死刑なんです!」


 また滅茶苦茶な断罪だな。全く、今度はお風呂に入りたいと…うん?ちょっと待って?今日から野宿じゃん!お風呂入れないじゃん!僕死刑執行されるじゃん!なんと…これは酷い。痛いところ付いて来たよこの子!…どうせ流れちゃうだろうから放っておこう。うん。


「ちょっと…君今何処から来たんだ?」

「どこって空から来たんです!」

「アマミちゃん?喉乾いたんだけど控えの牛乳ない?」

「あるんです!」

「ありがとう。」

「…君達不思議な子だな。」


 商人がなんか色々諦めたようなシド目でこっちを見てきたけど、何故なのか?


 その後、商人が持ってきた荷馬車にアマミちゃんがドカドカ荷物を突っ込んでいって…1日係りかかると思っていたのに5分で終わってしまった件。…リスケのレベルじゃないね!計画完全に変更した方がよくない?


「な、なあ…あの女の子何処から荷物だしたんだ?」

「わかんねえよ。商人やあの胸くそ悪い冒険者の話だとあの子が倉庫から全部一瞬で持ち出したらしいぜ?」

「わー、あの子可愛いわ!お持ち帰りしたいじゃない!でも、私が幼かった方がもっとかわいかったはずよ?」

「そうか?学生時代から魔法容赦なく放っていた奴が可愛い?」

「あら?お口を炎で校正した方が良いかしら?」

「殺す気か!」

「ねえねえ、あの少年も若干かわいくない?結構まだ幼いのかしら?」

「俺は幼女一択だぜ!」

「幼女じゃないだろ。」

「知らねえ。誰か声かけに行けよ!」

「あら、少ないお花を汚すって言うなら私がしばくわよ?」

「私も私も、なんで私たちに興味を持ってくれないのよ!」

「だってお前ら怖ええじゃねえか。」

「どういうことかしら?」

「だから火をまとったまま喋りかけるな!」


 なんか向こう賑やかだな。放っておこう。えっと、冒険者が大体20人くらい?商人が5人かな?で、御者がやっぱり5人?あくまで馬の世話をしている人や先程の商人がいる集まり、それとそれ以外のグループと言った形で分けるとそうなる。うーん、結構大所帯だな。僕はこういうの嫌いなんだけど。


「さてと、全員集まったか?…おやミネガルはどこ行った?」

「あ、ミネガル先生なら学校の事務的な用事で抜けるとの事です。出発前には戻ってくるとか。」

「ああ、分かった。彼女のパーティーはここ数年毎年参加しているからまあ問題ないだろう。では先に説明するぞ。」


 と言うことで、今回の依頼内容の説明が始まった。


「先ず、今回はこの荷物を山の中にいるドワーフ達へ販売するのがミッションだ。まあ、知っているとは思うが、ドワーフ達が住む森は色々作物がとれる。とは言え、我々が都会で作ったものは早々入手できるわけではない。逆にドワーフ達は鍛治の面では比較的優れている。それを考慮し我々の商会はこうやって定期的にドワーフと取引をしていると言うわけだ。

 だが、取引先が彼らの住みかと言うこともあり山の中だ。往復にかなりの費用を使うため1回での取引量も多い。そのためこのように冒険者たちを依頼しているわけだ。実際の取引は我々が行うのでそこは気にしなくてよいが、荷物の運搬や整理等は手伝って頂きたい。商人だけでは人手不足なのでな。

 また、山の中だ。危険な魔物や盗賊山賊等いる可能性もある。その際の護衛もよろしく頼む。荷物運びより護衛の方が主なので護衛依頼としてランクC以上の冒険者に限っている。

 …以上だ。これから我々は出発の準備にかかる。…予想より大分前倒しなので計画を練り直すのでな。冒険者たちもおそらく顔合わせ等すると思うのでこの間に行っておいてくれ。なにか質問はあるか?」


 あー、アマミちゃんが初っぱなからやらかしちゃったからね。申し訳ありません。


「1つ質問。」

「どうぞ?」

「あれはなに?」

「あれ、とは?」


 ある冒険者が指差す方向を見てみると…アマミちゃん!知らないうちに勝手に空飛ばないで!うわ、さっきの商人が物凄い目でこっちを見てきたよ!僕に文句言われても困るんだけど。…アマミちゃんに箒を持たせるのは間違いだったかな?


「…後々本人から聞いてくれ。他には何かあるか?」


 流した!ま、まあ、この状況は流すの安定かな。


「無さそうだな。では私は失礼するぞ。」


 と言うことで、商人らは御者を連れて荷馬車の方に集まっていった。

 しばらく事務作業が続きます。ちょっとずつ盛り上げていく予定です。

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