#4
翌朝目を覚ますと部屋にはすでに朝食が置いてあった。俺は時計を見てみると集合時間の8時だった。 俺は慌てて準備をし訓練所に向かった。
訓練所につくとみんな二人一組になり剣や槍を持っている。うちのクラスは31人だ。つまり遅れてきた俺は組む人が居ないことになる。
「君が皇綾翔くんかな?」
昨日紹介されたクリスティーナさんが俺の後ろにいた。随分若く見えるが耳が若干尖っているからたぶんハーフエルフだろう。
「はい、そうです。」
「そうか、なら君はペアがいないから私と組んでもらおう」
いきなり騎士団長と組むのか…クリスティーナさんはキレイだから周りの男子の視線がな…まあ、遅れてきた俺が悪いし仕方ないか。
「わかりました。組みましょう。」
「君は得物は何を使いたい?」
「あ、俺の事は綾翔でいいですよ?あと刀ってありますか?」
「わかった。なら私のこともクリスと呼んでくれ。刀か…ちょっとまっててくれ。」
そういい訓練用の武器の置いてある場所に行き3分くらいで戻ってきた。
「あったぞ。訓練用だから刃は潰してあるが気をつけて使うように。武器の持ち方は分かるか?」
「わかります。」
そう言い俺とクリスさんは武器を持ち向かい合い打ち合いを始める。
「綾翔は元の世界で何か武術をやっていたのか?」
「やってましたよ。皇琉戦技って言って自分の家に伝わる武術です。俺のユニークスキルでもあるんですよ?」
「そうか、そのスキルのレベルはいくつなんだ?」
「レベルですか?10でしたね。」
「なっ!レベル10だと?」
「そんな凄いんですか?」
「ああ、当たり前だユニークスキルのレベルは
Lv1と2が初心者、Lv3と4が中級者、Lv5と6が上級者、Lv7が超一流、Lv8が勇者や魔王級、そして、Lv9と10は神の領域とされている。」
Oh…まじか俺最初からLv10だったんだけど、じいちゃん俺を鍛えすぎだろ。
「そうなんですか。」
と言いながら俺は伸ばした前髪が邪魔だと思いかきあげる。
『え?あれ皇くん?あんなイケメンだったの!?』
『あれ、相川くん以上じゃない?』
するとみんなが俺とクリスさんの打ち合いを見ていたようで周りの女子が騒いでいる。目の前のクリスさんも少し驚いていた。
(やべぇ、帰りたい)
と思っていると、クリスさんが今日の武術の訓練はここまでだ。と言いみんなはここに残って魔法の訓練を受けてくれと言われみんなはここに残った。
「皇くん騎士団長さんとの打ち合いすごかったね。」
「確かに凄かったわね。何かやっていたの?」
と白石さん、神崎さんペアが俺のところにやってきた。
「ああ、3歳から11歳まで自分の家に伝わる武術をね。」
「3歳から!?それはちょっと異常よ」
「すごいね。…だからあの時も(ボソッ」
そんな会話をしていると宮廷魔道士長のカインさんが来た。今日はみんな魔力操作を覚えることで訓練は終わってしまった。俺はすでに四元素魔法のレベルが昨日のうちに4になっていたからみんなにあわせているのが退屈だった。
◇◆◇◆◇
俺は自分の部屋に帰ってきていた。夕食の時間まで結構時間があるので魔法の練習をすることにした。
夕食を食べに行くと王女様から一ヶ月後に迷宮に入りレベリングをしてもらうとの連絡を受けた。
俺は部屋に戻り眠りについた。
_______________________________
相川聖也side
俺は異世界に来てみんなとは違う真の勇者というのになった。
俺はいままで皇に話しかける結衣と真奈をただ根暗の皇を気遣ってのことだと思っていたが今日の訓練の訓練の時に皇が髪をかきあげた時の結衣と真奈の顔は赤くなっていた。いや、あの二人だけじゃない周りの女子達もだ!何故あんなモブ野郎にみんな顔を赤くしてるんだ!
「ふふっ、まあいいか。俺は真の勇者だ、あいつは所詮モブだ。まったくモブごときに敵対心を抱くなんてバカだな」
そう独り言を呟いて相川聖也は眠りについた。