表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憎。  作者: 松本卓也。
1/1

起。

だから俺は行動を起こした。


専門学校一年、親に渡された資格費用を使ってギャンブルを打った。

そんな難しいものじゃない、ただ千円札がコインに代わってランプを光るのを待っただけだ。

ただ俺の思う運命はそんなにうまくいかず、光ることはなく一文無しになりその店をでた。


「...さて、どうすっかな」


親から渡された金もタダじゃない、おそらく何時間も働いて介護士の母親が頑張って稼いだんだろう。

だけどわかってる人もいるだろうけどギャンブル中毒はそんなことじゃ怖気づかない。

負けないのだ。ギャンブルの魅力には。千円が10万円にもなって変わるようなことは他に何もないから。


だから俺は行動を起こした。


「トータルで1万3千円っすね」

軽い対応で店員が答えた。資格費用には1万五千円が必須だった。あとは家にある小銭入れを漁れば

なんとかなるだろう。


彼はギャンブルで金を湯水の如く使って後悔したあとはいつもこの手をつかって金を稼いでいた。

文字だけでは伝わりづらいだろうが自分の持っている物を金に変えるだけの現代人ならよく知っている手

つまり『ものを売る』という行為だ。

もちろん彼はそんなに価値のある物売っているわけではない。若者が大好きゲーム機だ。

本来なら彼も手放したくないものだが人に嘘をつくのに慣れている彼はどうしてもメンツを保ちたかった

母親へのメンツ、友人へのメンツ。そんな馬鹿らしいものがつねに彼の周りには渦巻いていた。


だから俺は行動を起こした。


ジャラジャラジャラジャラリィイイイチ

気づいたときには彼がだ人生で一番大好きな場所に居た。

そこははじめて聞く方も居るだろうが千円が10万円にも変わる場所だ。

これが彼の人生。生きてきてからずれることがない彼の人生。

トラックや軽自動車などにぶつかっても彼は変わらないだろう。山に遭難して助けを呼ぼうが

死にかけようが彼のやり方は一切変わらない。良いか悪いかなどはとっくに心から捨てている。


だから俺は行動を起こした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ