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短編集  作者: 有明
3/3

雪の精





「きっと雪はさ、空高くにいる水の精が降ってきたんだよ」



───驚いた。

突然思い出したこともだけれど、

今まで忘れていたことに。



「なんだよそれ。

んなのいるかっての」


「いたっていいじゃーん!

ロマンチックだし」


「ロマンチックねー。

似合わねーなお前には」


「うるさいなー、私だって夢見ますー」


…ああ、そうだ。

そう言って、俺達は笑った。

二人で。



その後、あいつはすぐに引っ越しちまったけど、

あの日一緒に帰ったことに、深い意味はあったのか。

あの時俺に勇気があれば、言うことを言えたのだろうか。



答えはわからない。



静かに、静かに雪が降る。

降ってきた雪はアスファルトに触れると、吸い込まれるように消えてしまった。


「…寒い」


ダラリと下がったマフラーを鼻先まで引き上げ、帰路を急ぐ。

すると。


「ねえ」


背後からかけられた、聞き覚えのある声。

その声に振り向くと、あいつが昔よりずっと綺麗になって、

昔と同じ綺麗な笑顔で、


「ただいま」


あの時と同じ、静かな雪の中で。





俺にとっては、彼女が雪の精のようだった。

読んでいただきありがとうございます。


恋愛は書くのが難しいですね…。

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