プロローグ
・・・・ここは何処なんだ・・・・昨夜の事を思い出さない・・・・頭痛がする・・・・
『おはようございます』
朝7時、目を覚ますと三人の男がいた。
「何やった?」
「こういうとこ初めて?」
「まだ酔ってる?」
矢継ぎ早に質問を浴びる。三人の真似をし布団を同じようにたたむ。
どうやらここは留置所の中のようだ。
部屋の戸が開けられ三人が布団を持って出ていく。真似をして後に続く。
―洗面―タオルと歯ブラシが用意されている。歯を磨こうとし、歯みがき粉がないのに困っていると、同部屋の年の割に髪の薄い男が自分の歯みがき粉を付けてくれた。
タオルと歯ブラシを自分の番号のケースとタオル掛けに戻すよう看守に促される。どうやら204番のようだ。
再入室、看守がボディチェックをする。
三人が自分のロッカーらしい場所からそれぞれ本を取り入ってきた。
「初めまして・・・お世話になります。赤井と申します。」
どういう挨拶をしていいか分からず、取りあえずありきたりの挨拶をする。
「俺は渡辺。こっちが高橋で、こっちが吉田。」
一番年長の50代の体格のいい男が言った。
「昨夜はだいぶ酔ってたね!酒抜けた?」
さっき歯みがき粉を分けてくれた高橋が尋ねる。
「久しぶりにいい匂いがしたな〜」
ひょろっと背の高い吉田が言った。どうやらだいぶ酒臭かったようだ。
「まだ抜けてないみたいです」
頭が痛いだけでなく胃もムカムカする。ひどい二日酔いだ。
「そうだろうな、まだ顔も紅いし、呂律が回ってないよ!」
「何やったの?」
記憶を呼び覚ます。
・・・・・いったい昨夜は・・・・・・