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第12話・つまり説明回ってことだ

説明回です

基本的なことです、RPGやったことある人なら当たり前のことしか書いてません

オリジナルな設定やステータスの影響などは何もありません

眠くなってきたら斜め読みを推奨します


むしろ飛ばしてもいいかもしれない

ピロリン♪


 マジシャンズ・ブラックに転職しました!

 職業スキルが開放されました!

 ステータスが職業補正の影響により強化されました!

 一部のスキルが職業補正により強化されました!




ピロリン♪


 ホワイト・ヒーラーに転職しました!

 職業スキルが開放されました!

 ステータスが職業補正の影響により強化されました!

 一部のスキルが職業補正により強化されました!



――――――――――



 その後二人も特にトラブルも無く転職を済ませることに成功した。

 前話で言った通り通常会話で話を進めた以外何もなかったので、非常にスムーズな転職だ。


 一応シャインがベネフィットにはなれないのかと聞いてみて、あるけどあなたは加護持ってないから無理って言われたくらいのことはあったのと、通常会話で話を進めただけでも普通に進めるより転職できる種類が増えることはわかった。


 そんなわけで今は早くレベル上げに行きたいトライとトロンの意見をやんわりじんわり真綿で首を締めるようにして丸め込んだシャインに従い、転職後の話をしながらNPCフィーネルのところへと向かっているところだ。


 ちなみに二人のステータスは以下のようになっている。




名前:シャイン

 職業:ホワイト・ヒーラー

 BLV:10

 JLV:1

 特殊能力:なし

 所持スキル:回復魔法適正Lv1

 武器適正:メイス

ステータス

 HP:2470<1900×1.2>

 MP:330<(190+SP30)×1.5>

 STR:110<100×1.1>

 VIT:286<(190+SP30)×1.3>

 AGI:209<190×1.1>

 DEX:228<190×1.2>

 INT:330<(190+SP30)×1.5>

 LUK:228<190×1.2>


残りステータスポイント:0

残りスキルポイント:8




名前:トロン

 職業:マジシャンズ・ブラック

 BLV:10

 JLV:1

 特殊能力:なし

 所持スキル:なし

 武器適正:杖

ステータス

 HP:1900<1900×1.0>

 MP:300<(190+SP10)×1.5>

 STR:100<100×1.0>

 VIT:209<190×1.1>

 AGI:209<190×1.1>

 DEX:200<(190+SP10)×1.5>

 INT:520<(190+SP70)×2>

 LUK:209<190×1.1>


残りステータスポイント:0

残りスキルポイント:9




 ステータスの説明を一切行っていなかったので今更ながら若干説明させていただく。

 STRは攻撃力だけでなく装備に設定された重量によるペナルティを緩和できるかどうかに関わってくる。

 例えば武器なら、設定された数値をSTRが上回っていればペナルティなし、下回っているなら何%満たしているかがそのままペナルティの内容になる。

 VITはHP・防御力以外ではスタミナというリアルでのスタミナのようなものに影響する。

 といってもレベルが10ほどになると、通常の行動では気になるほどの減少はしなくなるので、あまり気にされない。

 AGIは簡単にいえば体が早く動くようになるだとか、相手の動きがゆっくり見えるようになるとかそういう変化をする。

 VRにおけるAGIはわかりやすい変化ではあるが、他のステータスに比べて1ポイントあたりの変化量は非常に少ない。

 DEXは器用さだが、これはリアルにおける器用さとは若干意味が異なる。

 手先を上手に動かせる、というよりも手足に向かう神経をより細かく制御できるような感覚になる。

 非常に説明しずらい感覚なのだが、指を動かすのにどこの筋肉を動かせばいいのかわかるようになる、とでも言えば伝わるだろうか。

 INTは純粋に魔法攻撃力と魔法防御力、それにMPに影響を与える。

 残念ながらリアル知力に影響したりはしない。

 LUKは運がよくなるの一言だ。

 ゲーム的に言えばクリティカルが出やすい、いいアイテムを手に入れやすい、ご都合主義になりやすいなんてことは無いが。


 長い説明になってしまったが、つまりよくも悪くも「普通」の設定ということだった。



――――――――――



 と、いうわけでフィーネルのとこに来た三人。


「あ、あの……」


 するとカウンターにいた女性がおずおずと声をかけてきた。

 彼女こそがフィーネル、鍛冶イベント用のNPC。


 フィーネルの家は鍛冶屋だ。

 システム的には装備品の修理屋である。

 装備品は使っているうちにゆるやかに性能が低下していくので、定期的に修理が必要になる。

 それを修理してくれるのが鍛冶屋だ。


 本来なら目の前にいる赤毛をさっぱりと短くしたそばかすが少しある女性、フィーネルは奥の部屋にいるはずなのだが、今は何故か店頭に立って店を手伝っていた。

 単純な受付や会計をしている、というよりも実際に鍛冶仕事をしていたのだろう。

 赤い髪はボサボサでツンツンで逆毛でおでこ丸出し。

 気の強そうな赤い目と相まって、男のような印象が感じられる。


「かくかくしかじか」


「四角い鹿ですか?」


「OTZ」


 意思の疎通は思った以上に難しかったようだ。

 トライは両手両膝を地に着け、敗北したことを全身で表現している。


「えっと前衛組合と魔法組合で珍しい素材を持ってるなって言われてね、それを持ってここに行ってみろって言われたんだけど」


「珍しい素材ですか?

 見せていただいても?」


 言われるまま、三人はそれぞれオーガニウムと岩鼈甲を取り出す。


「これは……なるほど、確かにこれはありがたいお話ですね」


「どういうこった?」


 2つのアイテムをジッと見つめるフィーネルの視線は、宝物を見つけたかのようにキラキラ輝いている。

 アイテムを見て、トライ達を一度チラ見し、納得したように再び素材に目を移す。


「ええっと……こういう素材のことを総称して『魔結晶』って言うんですけども。

 この素材を使って武器とかを作るとちょっと特殊な装備品が作れるんです」


「特殊ってぇと追加効果があったりか?」


「基本的にはそうですね、必ず追加効果がつきます。

 ……と、言いますか、性質上ある1つの能力が必ずつくんです」


「もったいぶらねぇでくれよ、どんな効果なんだ?」


「えっと、武器自体がレベルアップできるようになります」


「なんだって!?」


 トライとフィーネルの間に、シャインがものすごい勢いで参加してくる。

 そのままシャインは思い切り前のめりになり、顔と顔がぶつかりそうなぐらいフィーネルに顔を寄せ、話を続けた。


「武器がレベルアップ!? 成長するってことか!

 それは使ってるうちに? それともレベルアップさせるたびにアイテム消費? あ、指定モンスターを倒すとかですか!?

 そもそもレベルアップってどのくらい成長するの? 最大レベルは? 追加効果も成長するんですか?

 いやいやその前にそもそもあなたは鍛冶師を目指しているような段階でしたよね!? なぜあなたがそんな武器をいきなり作れるようになっているんですか!?」


「おおお、お、お、落ち着いてください!」


 興奮して鼻息荒く詰め寄るシャインだが、イケメンこんな時でも得だ。

 その姿でさえも絵になる、何やっても許されるんじゃないだろうかと思ってしまう。

 NPCであるはずのフィーネルでさえ嫌悪感を全く感じていないようで、むしろ顔を若干赤くしてリアルだったら「あ、惚れたな」と言えるような状況になっていた。


「あ、ああ、すまない、少し興奮してしまって。

 大丈夫ですか?」


「あ、はい……えっと1つずつ説明させていただいても?」


「ああ、是非よろしく頼む!」


「えっと、それでは……

 え~武器がレベルアップするっていうのは、素材を使って性能を上昇させていく形になります。

 最大レベルというものはありませんが、性能はそれまでに使った素材の合計値になります。

 レベルはその合計値が高ければ高いほど、追加効果が多ければ多いほど高くなります。

 レベルが高ければその分レベルアップに必要な素材は多くなりますし、手間もかかるので手数料も大目にいただいていくことになります」


 説明を開始したフィーネルだが、その説明はあくまでもシステム的な説明であった。

 これはつまりゲームのイベントとして用意されていた、ということを意味する。


「続けて!」


「はっはいぃ!」


「落ち着けって、顔こえぇぞ」


「だ、大丈夫です。

 えっと、武器の性能と追加効果はどんな素材をどれだけ使ったかによって変わります。

 例えばオーガニウムは攻撃力と耐久性を上昇させますし、岩鼈甲は耐久性を大きく上昇させ、レベルアップさせていけば装備者の状態異常耐性を増加させるような追加効果が発生するはずです」


「なるほど、つまり素材はあればあるだけいいってことか」


「う~ん、またロックタートル狩りするの?

 もうあの子倒すの飽きたよ~!」


 シャインの納得とトロンの不満の声は同時だった。


「あと……

 私は確かに少し前までは鍛冶師志望で見習いですらなかったんですけど」


 しかし二人が相談をはじめる前に、シャインが最も気になっている部分の説明が入った。


「えっと、多分冒険者さんだと思うんですけど、それもたくさんの……

 いきなりお店に来て、私の部屋に勝手に入ったんじゃないかなと思うんですけど。

 あ、いえ、それが別に嫌だってわけじゃないんですよ? 女性の部屋に勝手に入るのは確かにどうかと思いますけど、別に襲い掛かってきたとかじゃないですし……えっと」


 同じ冒険者である三人に言ってしまったことに失言だったと思ったようだ。

 思わず否定の言葉を続けてフォローに回るが、そんなことをするころには大抵のものごとは手遅れになっている。


「かまわねぇよ、続けな」


「あ、はい。

 えっとそれでいきなり大量の鍛冶用素材とか、武器を製作するのに必要なことが書いてある本とかをいっぱい、それはもういっっっぱい置いていってくれまして。

 それを使って自分で色々試行錯誤しているうちに自分なりの武器を作ってお父さんに見せたんです。

 そしたらお父さんがこれなら大丈夫だろって言ってくれて……」


(なるほどな、確かにウィンドウでイベントを進めていても「会話」はしていない。

 会話していない以上、プレイヤーの行動はNPCには黙って「置いてった」ようにしか見えないってことか……)


 つまり現状。

 すべてのプレイヤーが行っている行動はそういう風に見えるということだった。


(それで、フラグを立てていた僕たちが来たらいきなり鍛冶師になっている状態で会話がスタートしたってわけか。

 ……これ、この前にあったはずのイベントってもうできないのかな?)


 鍛冶師としてフィーネルが現れた、ということは鍛冶師になるまでのフィーネルイベントができないのでは無いか?

 そう予想を立てたシャインだったが、意外な言葉を続けられた。


「あ、ちなみにあなた方も鍛冶の心得を知りたいようでしたら、教えられますよ?」


「マジか、是非しっときてぇもんだな」


「イベントイベント~♪」


「え、マジ?」


 とりあえずやってみることになった三人だったが、シャインだけがその内容に気づいていた。


「これ、フィーネルイベントと内容一緒だ……」

最近ナレーションが自由で困ります


※2012/8/27

メタ発言を修正

フィーネルとの出会いのシーンをざっくりカット

結果後書きが意味不明な発言に変化

※2012/9/5

文章を全体的に修正、内容には変化なし

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