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【日間ランキング84 位 ありがとうございます!】転生魔王はドS・ポンコツ美女たちと高校青春をenjoyする  作者: ヤマト・ロココ
第Ⅱ部 勇者アオ襲来 戦いの果てに

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72 ≪ ハ・ゲ・チャ・ウ・シ・カ・ナ・イ・オ・ン ≫

(……そうか。そういうことか)

 魔王はここに至って、転生後に初めて結菜と会った際に、彼女の髪をツインテールにしようとした自分の行為を理解した。


 碧人の嗜好が魔王の脳に残っていたのだ。

 これが故に、魔王はちょっとしたラッキースケベにも過剰に反応していたのかもしれない。魔界ではラッキーどころかガッツリスケベでかなりの耐性があったにもかかわらず。


(これって……遺伝のように碧人の要素が吾輩に受け継がれている。すなわち、アオと吾輩とで共通項があるかもしれない……ということか? じゃあそこに、突破口があるのでは?)


 魔王は深い沈黙、いや充分な黙考に耽る。考えろ。考え尽くせ。


「だーっ」

 分かる訳がない。そもそも碧人が固有に持つ性癖はツインテールとかスケスケブラだ。そんなのをドストレートに思いつくはずがない。


 というか、その時点で、魔王は思いだすべきであった。

 古の魔界の言い伝えの続き――。


〝指どうしを突き合わせる者が危険を炙り出し、長い髪を二つに結んだ者による黄金色の光がチカラを助ける〟


 そういうことで、頭を抱え込む魔王。

(……ん?)

 抱え込んだ右手でもう一度側頭部を摩る。すりすり。

(んんんん……)


 魔界では髪は命。毛髪の豊かさこそが力の根源となる。

 魔王が魔王であり続けられたのはひとえに、魔界随一の髪量を誇っていたから。


 だから――

 側頭部に十円ハゲがあるわけない。

 ということは……この十円ハゲは碧人特有の要素。


 強い風が吹いた。

 台風が来ていた。ジャパンの夏は台風シーズンである。


 びょおおおお、と風が髪を巻き上げる。マミりんの髪も、結菜の髪も、手を離した魔王の髪も。そして、先ほど兜を投げ捨てたアオの髪も。


(……あった!)

 風に煽られた髪が吹き上がり、アオの側頭部、今の魔王と同じ位置にくっきりと、十円ハゲ!

 魔王は自身の前髪に触れる。その時、古の言葉が過った。


〝指どうしを突き合わせる者が危険を炙り出し、長い髪を二つに結んだ者による黄金色の光がチカラを助ける〟


 ツインテールとツンツン。


 まさに間一髪、起死回生の、


≪ ハ・ゲ・チャ・ウ・シ・カ・ナ・イ・オ・ン ≫


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