45 体重計が表示する数字は……
そうして当然のように痩せなかった部多谷。
一応は努力した。土日の2日間を絶食し、クソ暑い中、サウナスーツを着込んでのランニング、石油ストーブをガンガン焚いている部屋での縄跳び。それらは、部員達の衆人環視のもとで行われた。
当初は「頑張れ!」と励ましていた部員達であったが、部多谷の体重が激落ちしない事実に直面するや、態度を豹変させた。
「部多谷、何休んでるんだっ! 走れっ!」
「汗かく量が足りてねーんだよ」と、ストーブの温度をもっと上げる。
「ぶひいいいいいいっ」
××××禁止がチラつく部員達の必死さが増していく。
くだらない、と蚊帳の外で眺めていた魔王であったが、部多谷を中心に部員達がまとまっていくのを目の当たりにし、いつしか魔王も部多谷の体重を気にするようになった。
そうして、月曜日の放課後、部活の時刻を迎えたキボコーサッカー部員達。
美神の目の前で、トランクス一丁で体重計に乗せられたヘロヘロの部多谷。
牛豚の競り市のような静かな興奮に包まれつつ、虚しく数字を表示する体重計。
結果は5キロしか痩せていなかった。
この時、部員達はこの2日間の頑張りを美神が評価して「しょうがないわね」という流れになることを期待した。
甘かった。
美神は、美神であった。
「おまえたち、30日間××××禁止。毎日尿検査して、ちょっとでも淡泊に異常値がでたら連帯責任で××××禁止を一週間延ばすから」
びゅおおおおおおおおッ――
ツンドラに置き忘れられた人形石膏と化した部員達であった。




