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16 面白い世界じゃないか

 魔王がキボコーに復帰して1週間が経った。


 部活はもとより学校生活に慣れ、この世界の高校生というもの、ひいてはこの世界の支配体制がどういうものかを早くも学んだ魔王である。

 ヒューマン達が治める世界は、大きく分けて民主国家と独裁国家に分かれていた。

 魔王にとって馴染みのある世界は後者の独裁国家である。強権を発動し暴力と恐怖で住人を支配する。

 懐かしかった。思わずよだれが出そうになる。どうせ転生するのならば、そちらに生れ落ちたかった。

 魔王が転生した日本は、前者である民主国家。


 しかし、……本当に民主国家なのか?

 新聞、ニュース、ネット、参考文献を隈なくチェックした魔王は、この日本という国に薄ら寒いものを感じとった。

 選挙でえらばれた政治家、そのバックに控える官僚と呼ばれる頭脳集団、献金により都合の良い政策を実現させようと画策する企業集団……賄賂、裏金。くくくっはははっ、魔王は哄笑を抑えきれずに吹き出した。

(面白い世界じゃないか)

 日本という国の実権を握るのも悪くない。革命を起こすか?

 歴史は繰り返される。

 江戸幕府の討幕とそれに続く明治維新。遡れば、中大兄皇子(天智天皇)勢に反旗を翻した大海人皇子(天武天皇)による壬申の乱……魔王は覚えたての知識を脳内で披露していく。


 魔王は今日も満員電車に揺られながら一人静かに意欲を漲らせた。


 ぷに。


 魔王の表情が緩む。それは、決意の末に零れた笑み、では決してない。


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