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11 ツンツン
◆◇◆◇
あれ?
マミりんこと古手川マミは、部室に自分だけが取り残されていることに気づいた。
「碧人君、もう行っちゃったんだ」
吐息を漏らすような独り言。
碧人君と同じ空間で二人っきりになれたのに。精一杯自分をアピールして仲良くなろうとしたのに。
彼と一緒になれば、たくさんツンツンできる。そんな予感でいっぱいだ。
ツンツンと人さし指どうしを付き合わせ、内股でもじもじしたマミりんは、彼女なりの強い想いをもって決心した。
(次はもっと大胆にやらないと。まだまだなんだ、わたし)
スマホでブラを検索する。
(ピンクだ。こっちの方がいいのかも)
す、と細い指先で購入をタップする。
「変な感じ……は、妖精じゃないかも……」
突如として強風が吹いた。プレハブを風が叩く。
マミりんの脳裏に、空がきざきざっと割れる映像が浮かんだ。
ツンツンツン。凄いものが見られそうだ。
「王様っぽい感じ……。あと、もう一人、こっちはワル……」
マミりんの独り言は風音の中に吸い込まれていく。




