思い悩む金の卵
「カァ〜カァ〜カァ〜」
ボクは生まれながらみんなと違った。
兄弟のみんなは真っ黒なのにボクだけは
……黄色。
それに羽を振るとキラキラ光る。
「カァ〜カァ〜カァ〜」
兄弟のみんなはボクのことをバカにする。
「変な色」
「気持ち悪い」
「目立つだろ!あっちいけよ!」
「カァ〜カァ〜カァ〜」
ボクはなんでこんなボクなんだろう?
前にお母さんからボクが生まれた時の話を聞いた。僕は五つ子兄弟で「ポン、ポン、ポン」と生まれた。みんなは薄い青緑色なのにボクだけ金色に輝いていた。その時お母さんはびっくりし過ぎて巣から転げ落ちそうになったらしい。
なんでボクだけ金色の卵なの?
なんでボクだけ黄色の毛なの?
だからボクだけイジメられる?
もうイヤだ!
この色が悪いなら全部毟ってやる!
ボクはクチバシでお腹の毛を咥えると引っ張る。
(うーーーっ…痛い!?いたい痛いけど
もう嫌なんだ!)
ブチィ…ブチッ…ブチィ…。
お腹が赤くなり血が滲み出る。
「何をやってるの!バカなことはやめなさい!」
怒った声でお母さんが飛んできた。
「この子は、バカな子だね〜」
お母さんは優しく羽でボクを抱き締める。
「お母さん?」
見上げるとお母さんが悲しそうな顔をしていた。
「またイジメられたの?良いのよ。母さんはその羽とても綺麗に思うわ。あなたはあなた、他の誰でもないの。みんなと違うことを母さんは気にしてない」
なんで?ボクはみんなと違って変なのに?
黒い毛、黒い羽じゃなくても良いの?
その日お母さんと一緒に寝た。兄弟のみんなは恨めしそうな目で見ていたけど、お母さんが睨むとみんな目を瞑った。ボクは穏やかな気持ちで寝ることが出来た。
あれから兄弟のみんなは何も言わない。ボクをイジメなくなった。
けど、それで良いのかな?
母さんはボクのままで良いと言ったけど……
「どうしたんだい!そこの綺麗な小鳥ちゃん、悩んだ顔は似合わないぜ!」
「あ!?あなたはマッスル鳥居さん」
この辺りの森では有名なフクロウマッスル鳥居さんが傍の枝に逆さまで止まっていた。
「綺麗な羽だ。キラキラとして今までこんな綺麗な鳥を見たことがない。どうだい。私と一緒に空の散歩に行こうじゃないか」
「……綺麗?この羽が?そんなことないですよ。兄弟のみんなは真っ黒でカッコいいのに、ボクは無駄にキラキラ光るだけ」
「う〜ん、そうかな?その姿は素晴らしいものだと私は思うが、どうやら君にとってはそうではないらしい。ま〜確かに見た目が良ければ良いとは限らないからね!」
マッスル鳥居さんは喋りながら色んなマッスルポーズを取る。見た目を気にしないようなことを言っているが彼ほど見た目を気にする鳥はいない。
「なら変われば良い。君はどうなりたい?どうすればそうなれる?考えるんだ!そして決まったら実行あるのみ!」
ボクはこの時、雷に打たれたような衝撃を受けた。
母さんは今のままのボクを認めてくれる。
だけど、ボクはそれだけでは嫌だったんだ!
決まった!ボクがやるべき行動。
それは……
「マッスル鳥居さん!ボクを弟子にしてください!」
………………▽
「うぁぁーー助けて〜!」
4羽のカラスがオオタカに襲われていた。
そこに颯爽と一羽の黄色い鳥が現れる。
「待て!みんなには手を出すな!」
黄色い鳥はオオタカを掴むとグルグルと振り回し遠くへぶん投げる。
「スゲー!」
「カッコいい!」
「ヒーローみたいだ〜」
兄弟のみんなはキラキラとした尊敬した眼差しをボクに向けていた。
その姿を見てボクはすごく嬉しかった。
ボクが求めていた物、それは…
兄弟のみんなに認められることだった。
そしてその為にボクは強くなりたいと思ったんだ。
「ボクがみんなを守るんだーー!」
黄色い翼を大きく広げ誇らしげに大空へと飛び立つと兄弟達がついて来た。そんな姿を母鳥は微笑ましく見ていた。
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