体育祭でスキンシップの嵐!?俺にその種目は無理ですッ!
秋晴れの空の下――
ここ、平行世界の星ヶ丘学園では、一年に一度の大イベント「スキンシップ体育祭」が幕を開けようとしていた。
実況の声が響く。
「さあ皆さん!今年も来ましたスキンシップ体育祭!
今年のテーマはズバリ『触れて感じて分かり合おう!』です!」
ユウト(心の声)「やだ怖い。サブタイトルがもうホラー……」
「男女ペアで“胸に手を当てながら”走るという地獄のような競技に出されてるんだが!!??」
「がんばって、ユウトくん……!」
顔を赤くして密着してくるありさ(=アリシア)。
「ムリムリムリムリムリ!!!こんなん健全男子が無傷で終われるか!!」
一方、大崎マモルはノリノリで隣の女子と突っ走っていた。
「よっしゃー!これが青春だぁあああ!!」
「ちょっとマモル!? スピード落としてよ! 揺れるからぁ!!」
「その揺れが加速を生むんだ!!物理法則、感じろ!!!」
「えー、ルールを説明します。
敵陣の“女子生徒”をハグで引っ張り、自陣に連れ込んだら得点です♡」
ユウト「ただのリアル略奪やんけ!!!!???」
しかも――
実況「特別戦として、“親衛隊代表 VS 変な友人代表”のハグバトルです!」
グレイス「……任務了解。大崎マモル、覚悟ッ!」
マモル「ほう、清楚系美女とハグ勝負か……望むところだッ!!」
(ハグという名の肉弾戦が、爆誕。)
バトンの代わりに**好きな相手の“私物”**を持って走るという、もはや運動じゃない謎競技。
ありさ(内心)「ここで、私の“王女の髪飾り”をユウトくんに渡して――」
グレイス「王女様、それは国家機密です。バトンにしないでください」
そして、優勝チームには「恋愛公認状」なる賞状が授与されるという。
つまり――勝てば公式カップルになれる。
クラス中がざわつく中、ユウトの心はざわめきっぱなしだった。
「俺……この世界で生きていける気がしねぇ……」