王女の兄、現る!その名はセルディス・グランクロワ!
ある朝。学園の正門前に現れたのは――
見た瞬間、誰もが息を飲むような完璧な容姿の男。
銀髪に紫紺の軍服、瞳は冷徹でありながら優雅。
そして、背中に背負った剣は**“王国騎士長”の証**。
クラリス「あ……兄様……」
ユウト「えっ、えっ……この人が……!?」
セルディス「久しいな、クラリス。……そして、お前が“あの少年”か?」
セルディスは、校長の許可を得て、クラリスの保護者として学園を訪れた。
目的は一つ。
「クラリスの“縁者候補”としてのお前の資質を試す」
ユウト「は!? ちょ、待ってくれ! 俺、別に――」
クラリス「兄様、ユウトは関係ないわ!」
セルディス「彼が関係“ない”なら、なぜお前は彼の帰りを待ち、
記憶を失っていた間も彼の名を呟いていた?」
クラリス「っ……!」
アリシア「へえ〜、王国の騎士様ってずいぶん古臭いこと言うのね。
私はユウトの“心”を賭けてるんだから、挑戦は受けて立つわよ?」
セルディス「面白い。では、まずは“君”と手合わせしようか?」
翌日、急きょ開催された模擬試合。
観客は全校生徒と教師陣。クラリスは観戦席で手を握り締める。
セルディスの剣は一分の隙もなく、まさに騎士道の化身。
対するアリシアはスピードと機転で挑むが、剣の技量差は歴然。
しかし、アリシアの目は折れない。
アリシア「負けない。……“好き”になるって、そういうことだから!」
セルディス(内心)
(――なんと、目が死なぬ。これが民間の少女か?)
ユウト「アリシア、避けろーっ!」
結果はアリシアの敗北。
だがセルディスは試合後、深々と一礼する。
セルディス「見事だった。心から、君に敬意を表する」
アリシア「……ふん、あんたの妹、私の恋のライバルなんだからね。
認めるのは勝手だけど、まだ譲る気はないわよ!」
クラリス「アリシア……ありがとう」
ユウト「セルディスさん、俺はまだ何もわかってない。
けど、大切な人たちを、ちゃんと守れるようになりたいんです」
セルディス「……その言葉が、“覚悟”になる日を楽しみにしている」
その夜。クラリスと兄は、屋上で語り合う。
セルディス「……お前もずいぶん変わったな、クラリス」
クラリス「はい。……この世界で、心を動かされた人がいたから」
セルディス「ならば私は、“騎士”としてでなく、“兄”として、
その未来をそっと後押ししよう。……我が最愛の妹よ」
クラリス「……ありがとう、兄様」




