偽クラリス、愛と記憶の侵略者
数日後、騒動も一段落した学園に突然の来訪者が現れる。
姿形はまさに“クラリス・ノルヴァ”そのもの――
だが、彼女は微笑みながらも言い放つ。
偽クラリス「ごきげんよう、ユウト。あなたの“大切な人”よ?」
ユウト「え……?」
アリシア「違う!彼女……彼女はクラリスじゃない!」
グレイス(心の中で)
(この魔力の違和感……“表情”だけが、彼女の記憶から引き出されたものだ)
仮面の宰相エグザムの手によって作られた、クラリスの感情データをもとに生まれた**“感情分離体”**。
彼女は、「純粋な使命」と「クラリスの好意的記憶」だけを持ち、
“完璧な王女”としてユウトに近づいてくる。
偽クラリス「私はもう、迷わない。
あなたに恋するために生まれたのだから――」
偽クラリスは、まるで夢のように優しく、思い出を語る。
偽クラリス「初めてあなたに会った日の風の匂い、今も覚えているわ」
ユウト(……それは、あの時の…)
だが、同時に彼は**“違和感”**を覚える。
彼女の笑顔に、ほんの少しだけ“重さ”がない。
“心”が、どこか空っぽのような…。
偽クラリスの真の能力は、“触れた相手の感情記憶に侵入し、書き換える”こと。
そして、ついにアリシアがその標的に――!
アリシア「うっ……頭が……!!」
偽クラリス「あなたの中の“クラリス”の印象、少し変えさせてもらうわ」
アリシアの意識は、記憶の深層へと引きずり込まれる。
そこに立っていたのは――
❝偽クラリス(心の姿)❞:「あなたの嫉妬、私が受け止めるわ」
アリシア「……ふざけないで。ユウトは私の友達で、私の……!」
戦いは“言葉”と“想い”の魔法による、エモーショナル・バトルへ!
ユウト「アリシアァーーッ!!お前の気持ちを、俺はちゃんと知ってる!!」
彼の言葉が、アリシアの中の“自我”に火を灯す。
アリシア「私が嫉妬してるのは、クラリスじゃない。
――“本物の私”を見てほしいって思う自分自身なの!!」
光が炸裂し、アリシアが精神世界から帰還!
偽クラリスは一時撤退するも、言い残す。
偽クラリス「本物より私の方が、あなたの理想でしょう?ユウト…」
帝国の地下牢に閉じ込められた本物のクラリス。
遠くに響いたユウトの叫びが、彼女の心を震わせる。
クラリス「ユウト……私が、行かなきゃ」
鎖がほどけ、微かな光がクラリスの手に灯る。




