表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仄暗い灯が迷子の二人を包むまで(R18削除改訂版)  作者: 霞花怜(Ray)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/64

第49話 懇願

 忍たちと最終的な打ち合わせを行い、警察庁を出た頃には外は既に暗かった。

 律が送るというのを断って、護の運転で岩槻の自宅まで車で帰ってきた。久々に戻った事務所は、大して長くも住んでいないのに、懐かしささえ覚えた。


「やっと帰ってきたって感じですね」


 護の腕が伸びてきて、直桜を抱き寄せた。


「二週間も直桜に触れられないのは、拷問でした」

「ん……、俺も」


 言いかけた言葉を飲み込む。

 代わりに護の匂いを思いっきり吸い込んだ。

 唇を指がなぞって、舌が誘うように舐め挙げる。無意識に口付けを受け入れて、口内が犯される。


「んっ……、ふ……」


 久しぶりの刺激が甘くて、声が否応なしに洩れる。


(やばい、このままだと、流される)


 名残惜しい唇を押しのけて、体を離した。


「とりあえず、シャワー、浴びよ。俺、汗だくだから」

「そうですね。今日は久しぶりに二人でゆっくり過ごしたいですし」


 残念そうにしながらも、護が納得してくれた。

 申し訳ない気持ちを抱きながらも、直桜は護を風呂に押し込んだ。



〇●〇●〇



「訓練、お疲れさまでした」


 互いにシャワーを浴びてすっきりしたところで、乾杯する。

 とはいえ、酒が入ると記憶が飛んでしまう直桜はノンアルコールで我慢する。


「護、なんで眼鏡しているの? 視力、回復したんだよね?」


 護は今現在も鬼の常態化を維持している。完全なる鬼化とは異なり、鬼の力を右手だけに集中する方法なのだという。その副産物として視力が戻り、体躯が少しだけ大きくなっている。


「伊達眼鏡ですよ。その、眼鏡をかけていたほうが、直桜は見慣れているでしょうから」

「眼鏡かけてる方が、俺の好みだからってこと?」

 

 護の顔が赤らんでいるのは、酒のせいではなさそうだ。

 直桜は息を吸い、静かに吐き出した。

 立ち上がって、護の腕を取る。


「護、来て」

「え? でも、飲み始めたばかり……」

「いいから。俺の部屋に来て」


 腕を掴み上げて、無理やり立ち上がらせる。

 部屋に入ると、ベッドに腰掛けた。


「ここに、座って」


 自分の足元を指さす。

 護が戸惑いながらも言われた通りに傅いた。

 指で顎を掬い上げる。

 されるがままに上向いた唇を食む。


「な、お……? んっ」


 絡めとった舌を吸い上げて、噛み付く。

 血の味が鼻に抜けるのを感じながら、息をする間も与えずに貪った。


「ぁ、はぁ…はぁ…」


 息を荒くする護の口から唾液が零れ流れる。

 それを舌で救い舐めて、護の顔を抱き締めた。


(俺の方が全然、覚悟が足りてない。キスしただけで、こんなに愛おしくなってる)


 死なねばならない事実も、充分に怖い。

 しかし、それ以上に、護に自分を殺させなければならない現実が、怖かった。

 護の腕を掴んで、ベッドに引き上げる。押し倒す体勢になって、護を見下ろした。


「直桜……?」


 困惑した表情の護を見詰める。


「護、いざとなったら迷わず俺を殺して。何があっても、絶対だ。たとえ護が、俺を誰より愛していても」


 護が目を見開いた。

 だがすぐに、納得したように目を細めて、微笑んだ。


「ああ、そういうことでしたか。直桜の方から熱烈なキスをくれるなんて、らしくないなと思いました」


 護の手が直桜の頬を撫でる。大事なものを包むように優しく指が滑る。

 次の瞬間、腕を掴まれて体が反転した。

 押し倒していたはずの体が押し倒されて、護の目が直桜を見下ろす。


「見縊らないでください。私は、直日神の惟神の鬼神、瀬田直桜の恋人ですよ」


 唇が塞がれる。

 鉄の匂いを残した舌が、直桜の口内を隈なく犯す。舌が絡んで唾液が溢れた。


「直桜を殺していいのは、私だけです。他の誰にも直桜を殺させたりしない。約束します、私の神様」


 いつもより大きな手が、直桜の服を捲り上げる。

 硬く芯を持ち始めた胸の突起の周りを優しく撫で始めた。

 焦らすように周りばかりに触れる指がもどかしい。

 護の足が直桜の股間をぐりっと押し上げた。


「もう勃ってしまいましたか。二週間、我慢しましたからね。沢山、してほしいですか?」


 耳を舐めながら囁かれて、頷く。

 気持ちが良くて、体が小さく震える。


「では今宵は、快楽で殺して差し上げましょうね。私の愛しい神様」


 言葉が直接、脳に響く。

 涙目のまま素直に頷いて、次の刺激を待ちわびた。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ