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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

苦しくて

作者: ハツカ


皆さんは理解できますか。



この苦しみを。



朝起きて、最初に気づく。体が動かせない。

寝起きの回転しない頭でもわかる体の怠さと異様なまでの体の動かせなさ。

体がしびれて、動かなくて、体を起こそうとしても起こせなくて。


「いい加減起きなさいよ」


怒る母親に何も言い返せなくて。

お腹が痛くて、体も動かなくて。どうすることもできなくて泣くことしかできない。

何もできない自分への不甲斐なさで消えてなくなってしまいたくて。

死んでしまえ。生きている価値なんてない。消えてしまえ。お前(わたし)がいなければ。

なんて呪いの言葉を心の中で、小さな声で呟き続ける。


外に行く予定を休んで、家にいることになって。

もうどうでもよくなって睡眠をとることにしたのに、長い夢を見る。

何故か片田舎に車で行って、そこには不思議な存在がいて、妖怪がいて。

寝ているだけなのに疲れて、起きたらもう夕方になっていて。

寝すぎなのか、寝疲れで体が怠いのか。もう考えることが面倒で、すべてを放棄したかった。

時間が解決すると思って放置しても体の倦怠感は抜けないし、すべてを放棄したい気持ちはずっと残ったまま。

家の中が苦しくて、でも外に出る気もなくて。

もうなにもしたくなくて。


すべてが消えてほしくて。


そんな暗い気持ちを抱えながら一日が終わることに、罪悪感しかない。











こうして俯瞰してみると、人間の体というものが不思議でならない。




なぜ頭と肉体が連動しないのかと疑問が湧いてくる。




起きない?言ってるだろう、起きれないんだよ。

起きれないんだったら言えばいい?言えない環境を作ってるのはお前だよ。




起きたくとも起きれなくて、言いたくても言ったとて怒られていることが目に見えているから言えなくて、すべてを捨てたくとも捨てきれなくて。外を恐れて家に籠れど帰る者に怯えてばかり。音に敏感になって耳を塞ぎ、眠れどなお疲労がたまり続けるばかり。




きっと人はこのような人を不登校/ニート予備軍だと罵るのだろう。




しかしそれがなんだ。それは悪いことなのだろうか。




不登校児やニートが産まれるということは、彼らが産まれるような環境を作ってしまっているということだというのに誰も気づかぬまま皆罵り、さらに生きづらく、行きづらくする。




それに、なんの生産性があるのだろうか。


それに、どんなに苦しまされる人間がいると思っているのだろうか。




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