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日本語は男女不平等な言語である

作者: 草月美翠

雑記です

 日本語に限らず、他の言語にもそういう特徴はある……と、思う。

 だけど私は日本語しか、考察出来るほどには知らないから。

 あえて今回は日本語に限定して書いてみる。


※注意—— —— —— —— —— 

 「平等であることが正しい」とか「正しい姿に変えるべき」とか、そういう意見ではありません。

 ただ、なんとなくそういう特徴があるな。という、考察みたいな話です。

 あとは、だとしたら私たちが日本語と、どう接するべきなのか。

 そんな考えのヒントになれば。と。その程度です。

 念のため、その点だけご留意ください。

—— —— —— —— —— 


 例えば、他人を指すときに、男性の場合は「彼」となり、女性の場合は「彼女」となる。

 もしこれが、ポリコレ的に平等な言語であるならば、男性は「彼男」となるはずだし、あるいは女性に対しても「彼」を使えて然るべき。

 女性が異性の恋人を指す言葉は「彼氏」となり、明確に「彼」とは別の言葉だが、男性にとって異性の恋人は、単に女性を指す場合と同じく「彼女」となる。

 この辺りも、平等性というか、統一感がない。

 男女が混合している集団を指すときは「彼ら」が使われるけど、女性しかいなければ「彼女ら」が使われる。

 つまり、現状の日本語では「男性だけの集団」を表す言葉が存在しないことになる。

 まあ、その辺りは、古き男尊女卑的な考えが生き残っているのかなと考えたり。


 ちなみにこれは個人的な不満なのだけど、日本語には「姉妹または兄弟」を指す言葉がない。

 英語には "sibling" という言葉がある。だけど日本語にはそれに該当する言葉がない。

 女性の "sibling" に対しても単に「兄弟」と言ったりすることもあるが、物書きとしては違和感がある。

 そのことの何が不満かというと、男女不定の主人公を書こうとしたときにものすごい困る。

 小説家として、一つの試みとして、読み手によって主人公の男女が変わる。そんな話しを書こうとしたときに。

 例えば主人公の妹が「私の○は」と口に出してしまった瞬間に、主人公の性別が確定してしまう。

 これが英語なら "my older sibling is ..." となって、男女不定のまま書き進められるのに。

 かといって「私の兄または姉が」などと言わせるわけにもいかず。

 結局諦めて、主人公は男になりました。


 まあそもそも、英語の "brother" や "sister" には「兄または弟」「姉または妹」で、そこに上下の区別はない。

 だから「兄」を示したいときは "elder bro" のように、上なのか下なのかを明確にする必要があり、この辺りは文化的な違いなのかな……とも思いつつ。

 個人的にはこの部分に関しては日本語的なそれよりも、英語的なそれの方が好きかも。


 さて、話が変わりますが。

 どこかで見たか、聞いたことなのだけど、女性は共感を求め、男性は理解を求めるらしいです。

 男女の痴話喧嘩が絶えないには、考え方の違いがあるのだとか。

 だけど……ふと思ったわけです。


 話が合わないのはもしかしたら、男性が話す日本語と、女性が話す日本語は別物なのでは?

 つまり、極端な話をすると、私たち日本人は男女で別の言葉を話しているようなもの。

 とは言ってもかなり共通点があって、要するに方言のような。

 男性は「男性弁」を使い、女性は「女性弁」を使っている。

 よく、方言のきつい地域に行くと、同じ日本人のはずなのに言葉が通じない。みたいなことを聞く。

 男女で話しがかみ合わないのは、実はそれと同じことが起きているのでは?


 古くの日本では、文字を使うのは男性だけだった。

 漢字の「漢」には「男性」というような意味もあるように、漢字は男性貴族の使う言葉だった。

 古代中国から伝わったその文章を使うのは、どうしても男性の仕事という面があったのだろう。

 それが、平安の頃なのか、女性も独自に文化を発展させるようになる。

 その結果生まれたのが「かな文字」だ。


 当然だけど、当時から、漢字を使う女性も、かなをつかう男性もいた。

 だけどあえて極論を言うと、要するに漢字は男性的な言葉で、ひらがなは女性的な言葉ということになる。

 つまり、男性は漢字的に言葉を使い、女性はひらがな的に言葉を使っている。


 言語の生まれや性質的な面以外にも、男女の言葉を分ける要因はある。

 日本以外の国は知らないけれど、少なくとも日本では、男子と女子は分けて育てられる。

 親や周りの大人が意図的にグループ分けするのが悪いのかもしれないけれど、小学生ぐらいから、徐々に男子グループと女子グループに分かれ始める気がする。

 そして、男子は男子の中で。女子は女子の中で、それぞれ自分たちの言葉を成長させていく。

 元は同じ日本語なのに、五年とか十年とか、特定のグループ内で使い続けるうちに性質が変化してしまう。

 男子グループでは男性的な日本語に。女子グループでは女性的な日本語に。


 結局、男女が会話をするときには、基本的にその中間の言語が使われることになるのだけれど、そのことを理解せずに「男(女)は馬鹿だから、話が通じない」となってしまう。それはあまりにも、虚しい。


 まとめ

・誰か「兄弟姉妹」を一言で表現できる、"sibling" みたいな単語を開発してください。

・男性が女性と話しをするとき、あるいは女性が男性と話しをするときは、それらの要素が混在したピジン言語、あるいはクレオール言語を用いる。あるいはそのことを意識すると、良いかもしれない。

そうだね! と思った方は、是非★で評価してみてください。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  男女のグループ分けが、言語が通じにくい(言語発達方向に差が出る)環境を作るという視点が面白いです。 [気になる点]  「ピジン言語・クレオール言語」という聞きなれない言葉が突然出てきて説…
[一言] 兄弟姉妹を表す言葉。はらから。日本では古代異父は結婚できなくても異母は結婚できたあたり兄弟姉妹カウント同母のみで、強いて言えば女尊男卑?古代的には。 時代設定限られますが、言葉は必要だから分…
[一言] 作者様にはmanという言葉が男をあらわすと同時に人をあらわすということに着目してほしい。英語圏では、人=男であり、女は人ではないということのひとつの証左なのではないかと思います。 女は人で…
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