表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全力でお手伝いするので、筆頭聖女の役目と婚約者様をセットで引継ぎお願いします!  作者: 水無月 あん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
87/106

衝撃が……

ルビーさんを泣かせてしまった理由はわからないけれど、私の発言で泣かせたことは確かよね。

とにかく謝らなきゃと、思いっきり頭を下げる私。


すると、頭上から、

「ルシェルさん」

と、優しい声が聞こえてきた。


頭をあげると、涙でぬれた顔で私を見つめるルビーさん。

いつもの凛とした顔ではなく、心細そうな幼さを感じる顔。


仮面が外れたようで、年相応に見えるわ。


それより、今、ルビーさんが私のことを名前で初めて呼んでくれたわよね!?

しかも、他人行儀ではなく親しみをこめて!


どうしよう……。

嬉しすぎて、ドキドキしてきた。


「はい! ルビーさん。何かしら?」

と、大きな声で返事をする。


動揺したせいか、思いっきり声が裏返ってしまった。


「ブフッ。うわあ、ルシェがおかしな声だしてるー」


ノーラン様の笑う声が響く。


まあ、偽エルフに笑われたところで、どうでもいい。

それよりも、大事な時だから黙っていなさい、という気持ちを込めて、偽エルフをひとにらみしておく。


が、偽エルフは何故か上機嫌で笑い返してきた。

うん、意味不明。

これは、放っておくのが一番ね。


ということで、偽エルフからルビーさんへと視線を戻した私。

ルビーさんの次の言葉を全身全霊で待つ。


「あの、ルシェルさん、すみません……。泣いてしまったのは、ルシェルさんの言葉が嬉しくて……」


「嬉しい……!?」


予想外の言葉に、思わず聞き返してしまう。


ルビーさんは私に向かって恥ずかしそうに微笑んだ。


なんという愛らしさ!

心をうちぬかれた私は思わず胸をおさえた。


だって、ここに本物の天使がいるんだもの!

今まで、クールな印象のルビーさんしか見たことがなかったから、ものすごい衝撃だわ!


「私の能力をそんな風に言ってもらったのは初めてで嬉しくて……」


そう言ったあと、自分のことを話し始めたルビーさん。


「あの……、私は孤児なんです。小さくて覚えていないのですが、国境近くに捨てられていた私を、今のおじいさんが見つけて、育ててくれました。でも、私の赤い瞳は、村のみんなに気持ち悪がられました……。おじいさんは治療院をしていて、村のみんなに頼られていました。だから、おじいさんの手前、あからさまに私を悪く言う人はいなかった。でも、5歳のころです。突然、私に不思議な力がではじめたんです。自分のケガに手をあてると治ったり、手をかざすと物が浮いたり、自分でもよくわからないから制御できなくて……。今思うと、癒しの力と魔力がまじって、出始めたのだと思います。みんなは、私に『気持ちが悪いから近寄るな』と言い始めました。『人間じゃない。バケモノだ』とも。私は人が怖くなって、家からでなくなりました。だから、おじいさんは治療院を辞めて、私を連れ、誰もいない山の中へと引っ越してくれたんです。そこで薬草を育てて、たまに町へ売りに行くという生活をしていました」


ルビーさんの顔を見ると、涙でぬれた赤い瞳はきらきらと光っている。

その名の通り、宝石のルビーみたいに美しい。


つらい思いをしたルビーさんを思って、私はこぶしをにぎりしめた。

できることなら、5歳の頃のルビーさんに会って、しっかりと抱きしめたいわ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ