表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/106

正直に言えない!

よろしくお願いします。

「まあ、でも、割れない石がレオに割れたとしても、全く不思議じゃないわね」

と、エリカ様。


「なぜ、そう思うんだ? エリカ」

ロジャー様が不思議そうに聞いた。


「レオって、私と接する時、きれいな王子様の仮面がはがれて、素の黒々した感じになるでしょ?」


エリカ様?! なんて言い方! その通りかと思いますが、その言い方!


恐る恐る王太子様の顔を見る。

すると、王太子様は、まさに、仮面がはがれた状態で、エリカ様を見返していた。


「ほら、今みたいに黒々とした素のレオになると、なにか力がもれだしてくるのを感じるのよね。ロジャーは、感じない?」


ロジャー様は、王太子様をじっと見るが、すぐさま首を横にふった。


「いや、まったく感じない。エリカに対してふてぶてしい顔をして、むかつく奴だな。甥だが、つぶすか? と思うだけだな」


いつなんどきでも、エリカ様一番のロジャー様らしい意見よね…。


「ロジャーに聞いたのは間違ってたわね。じゃあ、ルシェル。あなたなら、感じるんじゃない? 仮面を外した今がチャンスだから、ほら、よく見て!」

と、エリカ様が私をせっつく。


エリカ様…。

なぜ、私に聞くの?! やめて!

だって、正直に言えますか?! 


王子様らしく笑ってても、目から本心がもれてて怖いです、とか。

なにかしら、圧みたいなものを感じて怖いです、とか。

これが、エリカ様の言う力なのですか、とか。 


なーんて王太子様ご自身の前で聞けますか?!


内心荒ぶる私だけれど、エリカ様の「早く見なさい」という圧に負けて、王太子様の顔を見た。

そのとたん、きれいに微笑んだ王太子様


顔の変化がすごい…。でも、やっぱり、目は変わってないのよね…。うん、怖い。


「あー、そうやって王子の仮面をかぶったとたん、力も隠されるのよねー。で、どう思った、ルシェル?」

と、エリカ様が聞いてきた。


「え? あ、うーん、そうですね…。ええと、今も隠しきれない怖さ…じゃなくて、隠しきれない威厳みたいなものを感じて、圧倒されるというか…、どんどん離れたくなるというか…」


「ルシェル。今、離れたくなるって言いましたか? まさか、ぼくから?」

王太子様が美しく微笑みながら聞いてきた。


私は急いで首を横にふった。 

だって、うなずいたとたん命がない感じよね?! 


その時、エリカ様が叫んだ。

「今よ今! ほら、レオから、なんかもれてるでしょ?! 王子っぽく微笑んでても、すごく、もれてるわよね?!」


「エリカさん、言葉に品がないですよ。大聖女様とは思えませんね? …それより、エリカさんは、一体ぼくから、どのような力を感じてるのですか?」

王太子様は鋭い視線で、エリカ様を見た。


「そうね…。私が感じるのは、聖女の力とはまるで違う力。そう、魔力の一種みたいな力かなって思うんだけど? しかも相当に強い魔力。私の推理では、攻撃したり、破壊する力みたいな感じかしら?」

エリカ様が探るように、王太子様を見る。


エリカ様の漆黒の瞳が、好奇心でぎらぎらしはじめた。

そして、ロジャー様が、そんなエリカ様をうっとりと、愛おしそうに見ている。


よくある場面ね…。


なんて、のんきに考えてる場合じゃないわ! 

エリカ様、王太子様に魔力があるって言った…?!

しかも、攻撃や破壊?! そんな物騒な魔力って、あるの?!  



更新が遅くなり、すみません! 

読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださった方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みになります! ありがとうございます!


今現在、アルファポリス様での更新が20話ほど先行しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ