表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/106

浄化

よろしくお願いします!

「ちょっと、そこらへん、よどんだ気が満ちてるわよ!」

そう言うやいなや、エリカ様は私たちに向かって手をかざした。


きらきらとした光がでて、私たち3人が包まれる。

あっという間に、すっきりとした気に変わる。アリシアさんの震えもとまったみたい。


さすが、浄化が得意なエリカ様だわ!


「エリカの浄化は、なんて、美しいんだ! おまえら、浄化してもらって、うらやましいな」

うっとりとした顔で言うロジャー様。


「でも、人の心までは浄化できない。だから、そこの2人! これ以上、神殿を変な気で汚すなら、つまみだすわよ!」

仁王立ちで言いきったエリカ様。


そして、王太子様をきっと見る。


「王太子様は、何故、ルシェルを怖がらせていたのかしら?」

すごい迫力で王太子様に問うエリカ様。


王太子様の麗しい笑顔が、すっと抜け落ちた。

「話をしていただけで、大事な婚約者を怖がらせてなんていませんよ、エリカさん…。それと、王太子様なんて呼び方はやめてください。いつもどおり、レオでいいです。鳥肌が立ちますから」


私は神殿に着てすぐに王太子様と婚約をした。だから、王太子様を子どもの頃から知っている。

いつも上品な美しい笑みを浮かべて、すごく礼儀正しい完璧な子どもで、見た目は、まさに理想の王子様。

いつ会っても、周りの人たちにほめたたえられていたわ。

まあ、私は怖くて、本能で逃げまくっていたけどね…。


が、エリカ様は、会うたびに、「化けの皮をはがすわよ!」と言いながら、突進して構いまくっていたっけ。


その長年の行動の結果、エリカ様を前にすると、王太子様の笑顔がはがれるようになったのよね。

つまり、エリカ様の計画が成功したってことかしら…? 


ということは、今の表情の抜け落ちたような顔が素顔? え、それも怖いわね…。


そんな王太子様に、つかつかっと歩み寄ったロジャー様。

「おい、レオ。言うに事欠いて鳥肌が立つだと?! エリカに呼ばれて、そんなこと、ありえないだろう?! どんな呼ばれ方をしようが、ありがたく返事をしろ!」


エリカ様のことになると、やたらと沸点が低いロジャー様。

そして、そんなロジャー様にすっかり慣れている王太子様。


「はいはい、わかりましたよ。叔父上」

淡々と流している。


「それから、ノア! あなたもなんでルシェルのそばにいるの? ノアは、もう、ルシェルの専属護衛騎士じゃないでしょ? 今日から、ルビーの専属護衛騎士なんだから、ルビーのそばにいないとダメじゃない」


すると、ノアは平然と答えた。


「ジャックが職務を放棄していましたので、非常事態として、筆頭聖女のそばにいました」


「えっ?! 俺?! …いえ、職務を放棄などしていませんっ!!」

慌てて答えるジャック。


そんなジャックを見て、エリカ様が首をかしげた。


「ねえ、ジャック…。あなたは、なんで、ルシェルから離れたところに立っているの? もしかして、筆頭聖女の専属護衛騎士になりたくなかった?」

と、眉間にしわを寄せて聞くエリカ様。


そのお顔、すごい迫力ですよ!


読んでくださっている方、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ