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自信がわいてくる

よろしくお願いします!

今日から筆頭聖女の専属護衛騎士になり、張り切りまくっているジャック。

いくら短い間とはいえ、初日に痴女と思われるのはあまりにも悲しすぎる…。


ということで、痴女から対極にいるような、品のある顔に整えてみよう!

それってどんな…? と思ったら、ちょうど、目の前にすばらしい見本がいた!


もちろん、美しさは真似できないけれど、優雅な表情を真似てみたいわ!

ということで、王太子様のように、少し口角をあげて、うっすら微笑んでみる。


そして、さっき聞こえた言葉は幻覚ですよー。私はそんなこと言いませんよー。

という念をジャックに送る。


よしっ、これで完璧! 


と思ったら、ふふっと上品に笑う声が。


「やはり、ルシェルに会うと癒されますね」

王太子様が私を見つめながら、微笑んでいる。


うっ…、アランのことは言えないわね。

見慣れているとはいえ、間近で直撃を受けると、ダメージが大きいわ…。


だって、濃い紫色の瞳はとろけるように甘く、フェロモンみたいなものが惜しみなく放出されている。


つまり、品の良さが過ぎると、逆に妖しい何かがでてくるのかしら?

それって、まわりまわって、痴女に近づいてしまうということ?!


思考が、すっかり迷路に迷い込んだ私。


その時、扉が開いた。

「失礼いたします!」

緊張気味の声が聞こえてきた。アランだ。


一気に現実に戻った私。

ついに、ルビーさんが来たのね!


王太子様の手前、走って出迎えるのは控え、ルビーさんが近づいてきてくれるのをドキドキと待つ。


「そんなに新人聖女に会うのが楽しみとは、やけますね」

王太子様に甘い微笑みを投げかけられる。


が、私は笑って受け流した。そう、今の私は心に余裕があるの。

だって、神様のような美貌の王太子様が知らないことを私は知っているもの…フフフフ。


私に予言の力はないけれど、私の予言を心の中で叫ぶ!


もうすぐ、王太子様は本当の婚約者様とご対面ですよー! 


ルビーさんに、筆頭聖女も婚約者も、無事引き継いでみせますから、楽しみにお待ちください、王太子様!


何故かわからないけれど、ものすごい自信がわいてくる私! 

フッフッフッフッフッ!


なんとか笑い声をだすのを我慢していると、ジャックが完全にひいた目で私を見ていることに気がついた。

でも、ジャックにどう思われようが、もういいわ。…というか、それどころではない。


だって、アリシアさんの隣に立ち、こちらへ歩いてくるのはルビーさんだもの!


おっと、その後ろに、すごーく黒いものを放出しながら歩いている人がいる…。

…って、ノアよね…。一見、無表情だけれど、長年の付き合いだから手に取るようにわかる。

相当不機嫌だ…。


しかも、切れ長の鋭い目を、更に切れっ切れっにさせて見ているのは、…ええと、私の隣。

ちょっと、王太子様じゃない?!

こらっ、なんて目で、王太子様を見てるの?!


そう言えば、ノアと王太子様が一緒の空間にいると、何故かぴりぴりした感じがするのよね…。

静電気みたいな? よくわからないけれど、相性が悪いのかしら?


つまり、筆頭聖女の護衛としては、ノアは最高に頼りになるけれど、王太子様の婚約者の護衛としては、問題があるということ…!


困ったわ。私の完璧なプランに問題勃発…。

まあ、ここは課題として、これから考えていきましょう。


そして、やーっと、私の目の前に、待ちに待ったルビーさんがやってきた。


ようこそ、ルビーさん!



読んでくださった方、ありがとうございます!

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