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何をしているのですか?

読みづらいところも多いと思いますが、よろしくお願いします。

思いっきり、おなかから声をだした私。


あたりか、はずれか…!

ドキドキがとまらない…。恐る恐る、王太子様を見る。


あ、目がやわらかい雰囲気だわ!

おそらく怒ってはいないみたい。


つまり、レオナルド王太子様で合ってたのね! やったわ!

やっぱり、発音が悪かっただけなのね!


と、舞い上がる私。はっと我に帰ると、感情の読めない紫色の瞳がじーっと私を見ていた。

あわてて姿勢と顔を正す。


すると、王太子様は静かに言った。

「残念です、ルシェル」


「ええっ?! まさか間違えてました? …でも、もう、怒っておられませんよね?!」


王太子様は優雅にうなずいた。

「そうですね。ですが、ルシェルの答えは、私の思っていたのとは違っていました。でも、ぼくのことを大きな声で呼んで求めてくれたのは、嬉しかったです」

そう言うと、まぶしいほどの麗しいお顔で微笑んだ。


ん? …結局、私はお名前を間違えていたってこと? でも、怒ってない…? うーん、よくわからない…。

そして、大きな声はだしたけれど、何も求めてはいないのですが…。


私は王太子様に聞いてみた。

「つまり、どういうことでしょうか…?」


すると、王太子様は、ふわりとお体を私の方へと乗りだしてきた。

そして、言った。


「なら、ルシェルにもわかりやすいように、点数で表現しましょう」


「…点数?」


ますます、思考が迷路に入っていくのだけれど?


「まず、ルシェルの呼び方は私の望む答えとは違っていました。よって10点。でも、心の底から求めるように叫んでくれたので90点。つまり、合計100点ですよ」


「…は?! …ええと、ますます、意味がわからないのですが…? 何故、点数? そして、間違えているけれど、100点? …なら、もう、それでいいということなのでは…?」

摩訶不思議な王太子様の言葉に、私の思考が途切れ途切れになる。


「いえ、婚約者に、望むように呼んでもらえないのは、とても寂しいことですよ。ルシェル」


憂いを帯びた表情が絵になる王太子様。

そして、そのまま、アルバートさんの方に顔を向けて言った。


「アルバート、ルシェルに正解を見せてあげて」



…はい? 正解を言うのじゃなくて、正解を見せる?!

一体、どういうことかしら?!

しかも、何故、アルバートさん?!


頭の中に疑問が飛びまくる私とは違い、無の表情のままのアルバートさん。

王太子様に軽く頭を下げ、淡々と言った。


「かしこまりました」


これから、何が起きるのか見えなさ過ぎて、なんだか怖いわね…。

ドアの前に立っているジャックも、アルバートさんに目が釘付けになっている。


そんなジャックの横を通りすぎて、アルバートさんは、一旦部屋からでた。


え、何故、外へでるの?!


と思ったら、ノックの音とともに、アルバートさんがすぐに部屋へ入って来た。


…って、えええ?!


さっきまで無の表情だったのに、アルバートさんが微笑んでいる!


いや、微笑んでいるのはいいわ。でも、なにかしら? すごい違和感…。

だって、両手を胸のところで組んでいるんだもの!


そんな仕草、絶対にしそうにない人よね! 

あなたは誰っ?!


アルバートさんは、そのまま、王太子様の近くへ歩み寄った。

そして、口を開いた。


「お久しぶりです、レオ様! お会いできてうれしいです!」


すごい裏声が部屋中に響く。


シーン。


思考がとまった。

何が起きたのかしら? 誰の声かしら? 私は何を聞いたのかしら?

もしかして白昼夢?


確認のために、振り返って、ジャックを見た。

ジャックも目を見開いて、固まっている。


つまり、現実…。


ええと、アルバートさん。あなた、何をしているの?!

読んでくださった方、ありがとうございました!

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