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聖女の試験

変な登場人物が多めのお話になりますが、気軽に楽しんでいただければ幸いです。

よろしくお願いします!


※アルファポリス様で先行して掲載しています。

今日は、年に一回の聖女の試験が行われる日。

国中から少女たちが試験を受けに、王都にある中央神殿にやってくる。


毎年、結構な数の少女たちが試験を受ける。

というのも、聖女になれば、その家族にも色々な恩恵があるからだ。

そのため、貧しい家庭にとっては、一攫千金なみのチャンスだったりもする。


が、受ける人は多いものの、聖女に必要な癒しの力や守護の力を持つ人は減っているらしく、合格者のない年がずっと続いている。


今年も、多くの人たちで、いつもは静かな神殿が、妙な熱気に包まれていた。

なかでも、特に熱い思いで見つめているのは、筆頭聖女であるこの私、ルシェル。

審査員の席から、テーブルに身を乗り出すようにして、朝からずっと、試験を受ける少女たちを見つめていた。


が、いまのところ、使える力を持つ少女は登場していない。


親に言われて無理やり参加した子が泣き出したり、発表会みたいに踊りだしたり、おっ!と思ったら、手品だったり。

聖女の力は、そうじゃない…。


結局、めぼしい聖女候補はいないまま、ついに最後の一人になった。


(どうか、お願い!)


毎日のお祈りよりも真剣に祈りながら、その少女を、じっくりと観察してみる。


背が高く、手足がすらりとした美少女。

茶色のまっすぐな髪の毛はつややかで、腰までのばしている。


手元の資料を見ると、なんと14歳! 

私よりふたつも年下だとは?! 悲しいかな、童顔の私より、ずっと大人っぽく、身長も高い…。


が、なにより驚くのは、瞳の色。

なんとなんと、珍しい赤! とってもきれいだわ!


しかも、お名前はルビーさん。なんて、ぴったりで素敵なお名前なのかしら。

大きくて、きゅっとまなじりが上がった目も、意志が強そうで素敵。


見ているだけで、期待がたかまる!


「では、はじめてください」

神官が合図をすると、その少女が、目の前にいる手を包帯でまいた男の人に手をかざした。


少女の手から、ピンク色の光がパーッとひろがった。


(まあ、とっても素敵! 私の地味な癒しと違って、なんて華やか!) 


すると、少女の前に、座っていた男性が声をあげた。


「え? 手が痛くないっ!」


すぐさま、神官が包帯をほどいて確認する。


「傷が、ほとんどふさがっています!」


ギャラリーからおおっ!と声があがる。


が、誰よりも興奮しているのは、この私。

気がつくと、私は椅子をけって立ちあがり、痛いほど手をたたきながら、少女を賞賛していた。


いっせいに私の方へと向けられる目。


隣の席の大聖女エリカ様が、あきれた顔で私を見た。

「落ち着きなさい。ルシェル」


あわてて席にすわったけれど、落ち着いていられるものですかっ!

だって、やっと見つけたんですもの。私の後継者を!


これで、引き継げるわ! 筆頭聖女の役目と、セットになった婚約者様を!


フフフ、笑いがとまらない。

感謝の気持ちをこめて、少女にむかってにっこりと微笑んだ。


すると、美しい赤い目をきりっとさせて、にらまれた。


あら、なぜかしら? 


でもいいわ、あの気の強さ!

あの婚約者様にぴったりかも!


それに、二人が並ぶと、きっと絵のように美しいわ。運命のお二人なのね。


決めたわ。私、ルビーさんを全力でお手伝いいたしましょう。

そして、筆頭聖女の役目と婚約者様を、速やかに引き継ぐわ!


読みづらいところも多いと思いますが、読んでいただければ嬉しいです。よろしくお願いします!

本日中に、あと何話か更新します。

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