Take.3 ドキドキ王子の笑み
「『王子様…、、いつまでもあなたと一緒にいたいけれど、12時になれば、私は帰らなくてはならないの』」
「『なぜですか?私は姫とずっといたいのに…』」
今日は、王ノ宮クンと、二人で練習中です。ダンスのシーンが難しくって、なかなかうまく行かないんだぁ…。
「ちょっとまって、りあ。」
えっ、え?!い、いいいいっ…、、いきなり名前呼びぃぃぃ?!
「えええっと、なななんですか?!」
すると、王ノ宮くんは、クスッと笑って、こういった。
「テレちゃって、カワイイね…。」
も、もうー!!人のことからかわないでよぉぉ!こっちだって驚くんだもん!!
「僕はさ、そーゆー純粋でカワイイ女の子って、好きだけどなぁ…。」
「何言ってるんですか?!王ノ宮くん!!」
「それよりさ…。」
ちょっと、さっきの悪魔のような笑みとは違って、少し真剣そうな顔をして、こう言った。
「りあ…、昔は、もっと内気で暗いヤツだったのに…、どうしてそんなにカワイクなっちゃったの?」
は、はぁぁ?!私、王ノ宮くんなんてこの学校で初めて知ったのに、昔って何?!私が暗いって言われてたのは、それこそ幼稚園くらいの時から、小学校2年生くらいまでの間だよ!!でも、同級生に王ノ宮くんなんて人いなかったし…。
「ねぇ、王ノ宮くんは、私のことをどうして知ってるの?」
…すると、少し間をおいて、王ノ宮くんは、
「言えないよ…。」
と言った。
だけど、このまま気まずい雰囲気でいるのはちょっとなぁ…。と思った私は、とっさに、こういった。
「ね…ねぇぇぇ!!げ、げげげ劇の練習やろぉよ?!」
恥ずかしくて口が思うように動かない。
しばらくして、王ノ宮くんは、まるで私がシンデレラかのように、こう言った。劇にも無いセリフを。
「『僕は、シンデレラのことを、世界中の誰よりも愛しく思っています』」