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魔導戦記マギ・トルーパー  作者: イズミント
第1部 邂逅編
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第7話 ルキア、出撃する!

「アルム大尉、ミュリア軍曹!」


 フェリア軍曹と共に地下の格納庫にたどり着いた先に、アルムともう一人の女性が待っていた。

 女性の方もフェリア軍曹と同様の服を着ている辺り、軍人なのだろう。

 フェリア軍曹は、ミュリア軍曹と言っていたが、それが緑の髪の彼女の名前だろうか?


「来たか、フェリア軍曹にルキア」


「大尉、やはりルキアさんは頭の中に自分を呼ぶ声が響いて来たと。 帝国が襲撃したタイミングで」


「やはりか……」


「あの、アルム大尉、そちらの方は?」


「ああ、俺達軍が発見し、保護した女性のルキア・フィーブルだ」


「ルキア・フィーブルです」


「あ、どうも。 私はミュリア・マクラーレン軍曹です。 地下の格納庫の見張りをしていたのですが……」


 自己紹介してくれたミュリア軍曹がそう言いながら格納庫の中にある存在を見る。

 それは青みが掛かったフォルムの人型だった。

 大きさも先ほど見せて貰ったMGTと同様の大きさだ。

 よく見るとその胸部のクリスタルっぽい部分が激しく光っているような気が……。


「なんか、あのクリスタルの部分、激しく光ってません?」


「やはり、ルキアをあの【オリジネイター】が呼んでいたのか。 ルキアがここに来てから今まで以上に激しく光っている」


 なら、私を呼んでいたのはあの【オリジネイター】だという事になる。


「あ、大尉! 胸部のクリスタルが……!」


「開いていく……!? コクピットだったのか!?」


 激しく光りながらも自動的にクリスタルの部分がゆっくりと開いていく。

 アルムが言うにはその部分はどうもコクピットらしい。

 つまりクリスタル部分はハッチも兼ねていたという事だろうか?


『マスター、ハヤクワタシヲ……テイコクガキマス』


(え!? 乗れって言うの!?)


 また私の頭の中に、今度はハッキリ語り掛けてくる。

 自分に乗れと。 さらに帝国が来る!?


「あの【オリジネイター】、ルキアさんに乗るように促してるような」


「ルキア、どうするんだ?」


 ハッチが開き、コクピットに乗れる状態の【オリジネイター】を見て、ミュリア軍曹がそう言った。

 そして、アルムは私にどうするのかと聞く。 やはり心配なのだろう。


「乗ります。 今となってはそれしかないですし。 それに帝国が来ると」


「何!?」


『大変です! 帝国軍の第二波が西から襲来! 数は15ですが、かなり接近しています!』


 突如、どこからか声が聞こえて来たので私は狼狽える。


「マナフォンからの通信ですね。 軍人なら常備しているんですよ。 それより……」


「ああ、第二波が西からか……。 ミュリア、フェリアは出撃の準備をしてくれ。 あと、カロンにもな」


「はいっ!」


「俺も出撃準備をする。 これを渡しておくから、それに乗ったらこれで連絡をしてくれ」


「はい……」


 アルムは私に予備のマナフォンを渡してから、すぐに出撃するために地下から出ていく。

 もちろん、フェリア軍曹やミュリア軍曹もすでに地下から出て行っている。


 幸い、コクピットの部分付近に階段がある。

 私は意を決して階段を駆け上り、コクピットに入る。


 コクピットに入った瞬間、ハッチが自動的に閉じられる。

 その直後に、周りから映像みたいなものが浮かび上がってくる。


(これが、このコクピットから見た格納庫内?)


 少なくとも私にはそう映った。

 そして、予備のマナフォンを使ってアルムに連絡する。


「こちらルキア。 搭乗しました」


『ああ、ならルキアが座っている所の両隣に丸いのがあるはずだ。 そこに手を触れて精神を集中させるんだ』


「両隣の丸いもの……これに手を触れて……」


 アルムの指示通りに両隣にある丸い物体に手を添えて、そのまま精神を集中させる。

 おそらくこれで魔力を注ぐのだろうと予測している。


「ううっ!?」


 丸いのに手を触れ、そのまま集中し始めた瞬間、一気に魔力が吸われる感覚に陥る。

 それと同時に、この機体の操縦方法が頭の中に入ってくる。


(これは……! 動かし方が分かる……! 頭の中で教えてくれる……!)


『ルキア、大丈夫か!?』


「は、はい! 大丈夫です!!」


『その地下の格納庫の天井の扉を開けるから、そこから出撃してくれ』


 マナフォン越しにアルムからそう言われたので上を見ると、確かに少しずつ天井が開いていく。

 あそこから外へ出るという事か。


(イメージは、上へ向かって飛ぶと……!)


 私はそうイメージして魔力を流しながら機体を動かしたが……。


「え、きゃあぁぁぁぁぁっ!?」


 魔力を注ぎすぎたのか、この機体の性能なのかは知らないが、動かした瞬間、一気にスピードアップしてしまい、悲鳴を上げてしまう。

 いや、こんなスピード何て聞いてないんですけど!?


『ルキア!!』


『ルキアさん!!』


「ふ、振り回されてぇぇぇ!?」


『あっ、ルキアさん、そこは帝国軍の……!!』


 アルムやフェリア軍曹が心配している中、何とか格納庫を脱したのだが、情けないことにこの【オリジネイター】に振り回されたまま、帝国軍の真っただ中に飛び込もうとしていたのだ。

 まずい、これどうしよう!?



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