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魔導戦記マギ・トルーパー  作者: イズミント
第1部 邂逅編
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第6話 襲撃時の謎の起動

今回は視点が変わります。

【Side アルム】


「何だ!?」


 俺は早々と玉座の間から出て行き、憎き元身内のサリエルを振り切って王城内にある連合軍ベースに戻ってきた時に警報が鳴る。

 まさかと思い、『マギフォン』を取り出し、フェリア軍曹に通話する。


「フェリア軍曹、俺だ。 何があった!?」


『大尉! 東よりおよそ1000程の距離から帝国軍のMTGを確認したという報告がありました! 数は20で真っすぐこちらに向かっているとの事!!』


「ちぃっ! 他の機体と隊員はどうしてる!?」


『第一小隊用の1番から5番のデッキにてメンテしてる機体はいつでも出撃できる状態です。 あと、第二小隊も出撃可能!』


「よし、第一小隊と第二小隊は準備が出来次第すぐに出撃するよう伝えてくれ!」


『了解です!』


 まさか、帝国がこっちに来るとは……!

 狙いはルキアか、それとも【オリジネイター】か?

 フェリア軍曹からの報告じゃ、俺をパーツ扱いにした大臣共が気を失っている状態のルキアを帝国に身売りさせようと企んでいると聞いたからな。

 それを防ぐために当時のルキア周りに軍人や冒険者を護衛に回したからな。


「ん? また報告か? これはミュリア軍曹か?」


 また、『マギフォン』から通信が入る。

 今度はミュリア軍曹からだ。

 彼女には、【オリジネイター】を保管している地下の格納庫の見張りの一人として数人の者と交代でやってもらっている。

 確か今はミュリア軍曹が見張りをしていたが……?


「アルムだ。 どうした?」


『あっ、アルム大尉大変です! 地下の格納庫で【オリジネイター】が起動して……!』


「何だって!?」


『まるで誰かを呼んでいるような感じで胸部のクリスタル部分が光ってて……!』


 誰かを呼んでいるだって?

 今まで動かなかった【オリジネイター】が?

 それが本当だとしたら一体誰を……?


(もしや……?)


 もしかしたら……、そう感じた俺はミュリア軍曹への通信状態をそのままにしつつフェリア軍曹に連絡を入れる。


『こちらフェリア。 大尉、どうしました?』


「ついさっき、ミュリア軍曹からの報告で地下の【オリジネイター】が起動したらしい」


『なんですって!?』


「誰かを呼んでいるという感じで胸部のクリスタルが光っているという話だ。 もしかしてと思って聞こうと思ってな。 ルキアはどうしてる?」


『帝国の襲撃と同時にメイドさんを連れて避難しようとしていて……』


「フェリア軍曹はそのルキアの元に向かい、状態はどうかを確認してくれ。 俺は地下に行く!」


『了解しました! もしルキアさんに何かあればどうします?』


「何かあったら地下に連れていくようにしてくれ。 確認を取りたい!」


『分かりました!』


「ミュリア軍曹、聞いていたな? 俺はすぐにそっちに向かう! もしかしたらルキアと言う女性をそこの地下の格納庫に連れて来るかもしれないからな」


『は、はい!』


 二人への通信を切った俺はすぐに地下の格納庫へと向かう。

 もし、あの【オリジネイター】がルキアを呼んでいるのなら、ルキアはどう選択するんだ?

 帝国や魔王軍との戦争に参加させるつもりだと言うのか、【オリジネイター】は……!

 色々と不安が渦巻いたまま、俺は地下へと急いだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇


【Side ルキア】


「ルキア様、どこに行くんです!? 避難所はあっちですよ!」


「ごめん、先に行ってて。 私、行かなければならないところがあるから」


「ええ!?」


「いいから早く!!」


「る、ルキア様……!」


 別の方向に行こうとした私に気付いたメイドが止めようとするが、私は先に行ってと促し、避難所のある方向と逆の方向に走り出す。

 私が向かう先は軍の所。

 つまり、私がこの世界に飛ばされた際に意識を取り戻した場所だ。


(私の頭の中に響く声、あれは確実に私を呼んでいる。 誰が私を呼んでいるのかそれを確かめないと)


 帝国の襲撃で避難を促す警報が響いているにも関わらず、私はそこへ向かって走り出す。


「ルキアさん!」


「あ、たしかフェリア軍曹……でしたっけ?」


「はい、そうです。 ルキアさんは今、どちらに向かおうと?」


 丁度走っている最中にフェリア軍曹に出会う。

 どうも私を探していたようだけど……?


「帝国が襲撃したという警報があってから、私の頭の中に声が響くようになったので、もしかしたら誰かが私を呼んでいるんじゃないかと思って軍の方に……」


「そうですか。 実は同時期に地下の格納庫にある【オリジネイター】が起動したという報告が入りまして」


「え……、起動?」


「そうです」


 どうも帝国の襲撃と同時期に、軍が【オリジネイター】と呼称する存在が起動したらしい。

 私が謎の声を聴いたのも帝国の襲撃の報を聞いてからだし、まさかとは思うが……。


「報告によれば、まるで誰かを呼んでいるかのように胸部のクリスタルが光っているという事です。 ルキアさんが声を聴いたのなら多分【オリジネイター】が呼んでいるんじゃと思うので一緒に地下の格納庫に行きましょう」


「分かりました。 アルム大尉は?」


「大尉もその地下の格納庫にいます。 急ぎましょう」


「はい!」


 フェリア軍曹と一緒に、私は起動したという【オリジネイター】が保管してある地下の格納庫に向かった。

 さて、本当に【オリジネイター】が私を呼んだのか、確認させてもらうからね。


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