第33話 ロゼッタ前線基地破壊作戦②
「さて、啖呵を切ったはいいけど、どう立ち回ろうかしらね」
『いっそビームサーベルでも解禁します?』
「アルムの許可が出てないから無理よ。 とにかく耐電バリアは常時発動はできそう?」
『マスターの魔力のおかげで常時発動は可能ですね』
「それならサンダーランチャーという厄介装備を持つシャックスに渡り合えるわね」
『上手く展開さえできれば……ですけどね』
とりあえず、フェリア軍曹を機体もろともサンダーランチャーでダメージを与えた帝国のMGT……機体名はシャックスと名乗った相手と対峙しつつ、どう立ち回ろうかと模索していた。
流石にまだビームサーベル等は、アルムの許可が出てないから無理。
だが、私の膨大な魔力のおかげで耐電バリアは常時発動可能だという。
バリア強度は未知数だが、ひとまずはシャックスと渡り合えそうなので、そこはホッとしている。
『さぁ、行くぞ!』
『マスター、来ます!』
「ちょっ!? 早速サンダーランチャーを使って!?」
シャックスが開始早々に、いきなりサンダーランチャーをぶっ放してきた。
アパ子のおかげで辛うじて回避は出来た。
『ちっ!』
(まだ耐電バリアを発動していないから、狙いどころだと踏んで……?)
まだ耐電バリアを発動していない所を狙われた形だ。
なんとかしてすぐに耐電バリアを展開しないといけない。
私は回避してすぐにバルカンで反撃の糸口を探る。
『舐めるなっ!!』
「うぐっ!?」
『マスター!?』
「大丈夫、損傷率は1%程度! でも、流石に揺れる……!」
シャックスがファイアバレットライフルを即座に使ってきたようで、避けきれずに被弾してしまう。
ダメージこそあまり受けなかったが、被弾したせいか流石に揺れた。
『マスター。 シャックスのサンダーランチャーですが、どうもチャージに時間が掛かるようです』
「なるほどね、チャージ完了までどれくらい?」
『およそ5分かと』
「なら、速攻で仕掛けつつ、いざという時に耐電バリアを常時展開する! アパ子、やれる?」
『はい、耐電バリアはいつでも展開できます!』
態勢を立て直す最中に、アパ子からサンダーランチャーには、撃った後のチャージが必要との事。
それが完了するまであと5分らしい。
だが、同時にいつでも耐電バリアは展開できるようになった。
「よーし、ならば行くわよ!」
『ぬぉっ!?』
オリハルコンサーベルを手にし、すぐにシャックスに斬りかかる。
アパタイトのスピードを活かして一気に距離を詰めて仕掛けるも、紙一重で回避される。
「なんのっ!!」
『うがっ!? 右腕が……!?』
だが、アパ子のサポートですぐに斬り返しを敢行する。
下から上へ、そして斜めに斬りつけたその斬撃は、シャックスの右腕を切断することに成功。
「斬り下ろせたのは右腕のみか」
『サンダーランチャーは片手で撃てますからね。 左腕も斬り落とさないと……』
「そうみたいね」
『くっ、おのれぇ……!』
そう、これもアパ子が解析してくれたのだが、シャックスのサンダーランチャーは片手で撃てる仕様なので、もう片腕を斬り落とさないとだめなようだ。
『これ以上、調子にのるなっ!!』
「わっと! 危ないわね!!」
『マスター! あと2分です!!』
「くっ、胸の部分のマシンガンを連射されて上手く近づけない! ライフルで仕掛けるしか!」
『なんの!! これしきで我は止まらん!!』
私は移動しつつライフルで何とか攻撃を仕掛けているが、マシンガンの発射速度が速いので時折被弾してしまう上に、連射されているので上手く近づけないのだ。
こうしているうちにチャージまでの時間は減少し……。
『フフフ、チャージ完了だ。 手こずらせやがって……』
ついにサンダーランチャーのチャージが完了してしまった。
シャックスの声からして不敵の笑みが浮かんでいる様子を想像してしまう。
『マスター、来ます!! サンダーランチャーです!!』
「耐電バリア展開!!」
『甘いッ! くらえぇぇぇっ!!』
そして残った左腕でサンダーランチャーのトリガーを引いて来た。
強力な電撃が私を襲う。
だが、こっちも耐電バリアはすでに展開が完了していた。
これでサンダーランチャーを恐れずに仕掛けられるはず。
『なっ!?』
そう考えた直後の私の行動を見たシャックスから、驚きの声を聴いた。
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