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魔導戦記マギ・トルーパー  作者: イズミント
第1部 邂逅編
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第27話 ミーティング開始と判明した事実

【Side ルキア】


「調査の為に回収したMGTはあそこに置いてください。そして、アパタイトはあちらの方へ」


「了解です」


 帝国軍をも殲滅し、気になるMGTの一機を調査の為にマイア王女と共に戦艦の格納庫に運んだ。

 数人の魔導技師達の誘導によってすんなり場所を確保出来た。


「技師以外の者は、各自の準備が出来次第、このマップに示された場所へ行って下さい。 技師の者は回収された帝国のMGTの調査と味方の機体の整備に回ります」


「わかりました」


「ルキアさん、私達は先におトイレに行きましょうか」


「そうですね、ミーティングとか長引く可能性があると不安ですし」


 そして、アパタイトを降りた私に、技師の一人が艦内のマップが書かれた紙を渡してきた。

 そこに赤く丸を付けられた部分があり、各自の準備が終わり次第、その場所に向かうようにと言う事だろう。

 私はマップを見ながらマイア王女と共にトイレに行き、用を済ませてから赤丸で示された場所に向かった。



「お、来たなルキアにマイア王女」


 トイレを済ませて、目的の場所に向かうとアルムが待っていた。


「あれ、私達で最後ですか?」


「いや、カロンやジョージ中尉の部隊員がまだ来てないから大丈夫だ。 まぁ、半数は道中で合流する予定だが」


「それでここは?」


「ブリーフィングルームだ。 戦艦での移動中はここでミーティングを行うようだな」


 まだ、カロン軍曹とジョージ中尉の部隊の隊員たちがまだ来ていないので多少安心した。

 アルムにここはどこかと聞いたらどうやらブリーフィングルームという大きな部屋らしく、戦艦での移動中でのミーティングはここで行うようだ。

 

「他のメンバーは既に待機してるから俺達も待機しよう。 ルキアはフェリアの隣に座ってくれ」


「了解」


「ルキアさん、入りましょう」


「ええ」


 先にアルムがブリーフィングルームに入ったので、私やマイア王女も続いて入る。

 席は部隊ごとに決定されているので、私はフェリア軍曹の隣に座る。


「あ、ルキアさん来たんですね。 カロン君は見かけましたか?」


「ああ、戦艦内のトイレに行く過程でも見てませんでしたね」


「もう……! まさか乗り遅れたって事は……!」


「それはないよ、ミュリア。 別のデッキに機体を置いて降りて行ったのを見てるから」


「道に迷ったって事は? マップも貰わずに行ったとなれば……」


「あり得ない話じゃないですね……」


 私達女子たちが、カロン軍曹の件で少し不安だった。

 そして、案の定道に迷っていたようで、ジョージ中尉の部隊の隊員と一緒に入って来たのだった。


「さて、集まったな。 【ブリューナク】の残りの隊員は途中で合流する予定になっているが、無事に戦艦【フィールラスクス】が出航したことを踏まえて自己紹介を兼ねたミーティングを行う」


 モニターに背を向けて座ったこの戦艦の艦長のクラウド・フェルバッハ少佐がミーティングの開始を宣言した。

 まずは自己紹介だけど、調査回収した帝国のMGTが気になってしまうんだよね……。

 予感が外れてくれたらいいけど……。


◇◇◇◇◇◇◇◇


【Side ザック】


「ザック軍曹、機体のメンテは終わりました! そちらは?」


「丁度良かった。 魔法少女部隊の整備班からハッチをこじ開ける魔法を持った子を連れてきてくれ」


「開かないのですか?」


「ああ、どうもコクピットハッチの部分がガッチリ開かないように固定されてるようだ。 だから……」


「分かりました、呼んできます」


 俺、ザック・アルスターはアルム小隊の機体の整備を終えて、ジョージ中尉の部隊の整備班と共に回収された帝国軍のMGTの調査をしようとしていたのだが、ハッチが固定されていて開ける事が出来ない様子だった。

 戦ったルキアさんやマイア、そしてアルム大尉の話では、魔力を感じるのに人の気配がない事と、動きが決められた形になっている事を聞かされた。

 もしかして、このハッチが固定されているのと関係があるのだろうか?

 そう思った時に、魔法少女部隊の整備班の一人が、ようやく整備が終わったようで、俺はハッチを無理やりこじ開ける事が可能な魔法を使う子を連れてきて欲しいと頼んだ。


 情けないことにアルム小隊やリュート小隊、ジョージ中尉の【ブリューナク】のメンバーではこの手の魔法は使えないのだ。

 あらゆる魔法が使えるロゼッタ魔法国民しか使用できないものが多いので、今回も頼らざるおえないのだ。


「お待たせしました、お兄様。 どうしたのですか?」


「お兄様はやめてくれ、ミーナ。 それより、この帝国のMGTのハッチを魔法でこじ開けてくれないか? ガッチリ固定されてて開かないんだ」


「なるほど……。 分かりました。 そっちに行きますね」


 魔法少女部隊の整備班の一人のミーナ・ファルル。

 彼女こそ今回のような案件でも魔法でこじ開ける事が可能な魔法を使う少女だ。

 ただ、俺が出張に来た際に整備の仕方を教えた際に、お兄様と呼ばれてしまうのがな……。


 とにかく事情を理解したミーナは、階段を使ってデッキ手前に向かう。


「それじゃあ、魔法でこじ開けますね」


「頼む」


「【フォースアンロック】」


 無詠唱で【フォースアンロック】という強制的にこじ開ける魔法を使うミーナ。

 すると、即座に固定されたハッチがバキバキという音と共に解除され、ハッチが開いていく。


「これは……大きめの石?」


 そこで見たのはコクピットに収まる大きさの石が入っていた。

 さらに、石の周辺には管のようなものがあり、そこから魔力を流して稼働させていたのだろうか?


「お兄様! これ……【マギアクリスタル】です!!」


「マギアクリスタルだって!?」


 ミーナの発言でこれがマギアクリスタルだというを知り、俺は驚きを隠せなかった。

 それと同時にルキアさん達が相手をしていたのは、これを使った自動操縦のMGTだったという事なのだ。


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