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魔導戦記マギ・トルーパー  作者: イズミント
第1部 邂逅編
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第23話 戦艦防衛戦、始まる

「いた! あそこよ!」


『幸いにも戦艦に仕掛けようとしていたらしいな』


『ば、馬鹿な!? 対応が早いだと!?』


 B練格納庫から出て、出航前の戦艦が停泊する場所には、大臣達が盗んだとされるMGTが、戦艦に仕掛けようとしている所であった。

 仕掛ける前に見つけて良かったよ、本当に。


『しかも、無能でパーツでしかない奴の部隊に……ぐわっ!?』


「おっと、アルム大尉の悪口はそこまでよ」


『き、貴様は……!』


 相変わらずアルムを人として認めない発言を聞いたので、言いきる前にライフルで攻撃した。

 まぁ、挑発的意味も兼ねてるから威力は抑えてるけどね。

 

『相変わらずの国賊っぷりだな。 そんなに帝国に管理してもらいたいのか?』


『黙れ、パーツごときが! 魔王軍と話し合いをしようとせずに武力で解決しようとするならば、帝国に管理してもらった方がいいのだ!』


「ストレートに言ってきたわね」


『さっきの発言も記録しましたし、言い逃れはできませんね、マスター』


「ナイス、アパ子」


 国賊の大臣アーリントンが、包み隠さない発言をアパ子が記録してくれた。

 あと、相変わらずアルムをパーツ扱いしているのを聞いて腹が立つが、ここは抑えよう。

 もうすぐ援軍が来るしね。


『話し合いで解決できるなら、MGTなんて作ることはないですがね』


『フェリアの言う通りだね。 魔王軍は突然現れては世界征服を宣言していたし、話し合いなんてする気などないとも言ってたね』


『貴様らが誠心誠意に話し合いしようとせんからだ!』


 アーリントンは、フェリア軍曹とミュリア軍曹から魔王軍にちなんだ歴史の事実を述べても、誠心誠意に話し合ってないからだとまくし立てた。

 いや、仮にそれが出来ても決裂するのは目に見えてるんじゃないかな?


『そもそも、対魔王軍のMGT製作は帝国も同意していたんだがな。 都合の悪い内容は耳を塞ぐ国賊のアーリントン達はそれすら知ろうともしないだろうな』


『お、おのれぇ……!』


 アルムからも色々言われるアーリントンは歯ぎしりしている。


『隙あり!』


「あっ!」


『しまった!?』


『マスター! 盗んだMGTの一機が戦艦に!』


『フハハハ! 戦艦さえ修理できないように壊せば貴様らは動けまい!』


『アーリントンっ! てめぇっ!!』


 奴の支持者の家臣が乗るMGTが戦艦に向かって仕掛けようとする様子に気付いた。

 してやられた!

 カロン軍曹も叫ぶくらいに……そう思っていたが……。


『させませんよぉ!!』


『ぐわあぁぁぁっ!!』


『な、何ぃ!?』


 いきなり女の子の声が響いたと思いきや、突然電撃が戦艦に向かうMGTに目掛けて放たれ、そのまま直撃する。

 直撃したMGTは、そのまま落下。

 装甲は少し焦げたが、中の操縦者は多分死んでるだろうか?


『来たか!』


『はい! 間に合ってよかったです!』


(えっと、何? あの変わった機体のフォルムは……?)


 別の方角から現れた物に私は戸惑いを隠せなかった。

 いや、アルムの発言から援軍なのは理解しているけど、その援軍の機体のフォルムに色々戸惑った。

 何と言えばいいか。

 見た目のフォルムが、私達の世界にもあった服飾店で見掛ける女性用のマネキンみたいなフォルムにスカートのような物が取り付けられていた。

 武器も……杖とかがメインっぽいんだけど……。

 いや、【魔法少女部隊】というあたり、向こうはこれが正規の機体と武器なんだろう。


「もしかして、貴方たちがアルム大尉が言っていた【魔法少女部隊】?」


『はいっ! ロゼッタ魔法国MGT第1機動部隊……通称【魔法少女部隊】の隊長を務めますマイア・ロゼッティア王女と申します!』


 私が隊長機らしき機体に尋ねたところ、突如モニターにその操縦者の容姿が映し出された。

 マイア・ロセッティと名乗るこの王女は、ゴスロリの衣装を着ていたようだ。

 これに関しては私は突っ込まない。

 何故なら私も色は違えどゴスロリの衣装でアパタイトに乗ってるからね……。


『ルキアさんでしたっけ? ザックお兄ちゃんからモニターの会話で色々聞きました。 私自身も色々お話したいのですが、まずはこの反逆者のアーリントンたちを対処しましょう』


「は、はい!」


『あー、諸君、聞こえるか?』


『艦長?』


 ひとまず気を取り直してアーリントン達の対処をしようとした矢先に、男性の声が響き渡った。

 アルムは艦長と言っていたが……?


『私は戦艦【フィールラスクス】の艦長になったクラウド・フェルバッハ少佐だ。 国王様より逆賊アーリントンとその仲間をそのまま死なせても構わないというお達しが出た。 ただ……』


(ただ……? 何だろう?)


 後で私達が乗る予定の戦艦の艦長になったクラウド少佐が、国王様よりアーリントンをその場で死なせても構わないという話があったという。

 本来なら裁判などで処刑などに処するんだろうけど、やはり奴が特殊なのだろう。

 だが、艦長は何か言葉を濁していたが……何かあるのだろうか?


『奴らが乗っている機体は、リュート小隊が乗る予定の物だ。 なので出来るだけ機体は壊さないようにして貰いたい』


『え、それってどういう……?』


 機体は壊さないようにしてくれという無茶な依頼にミュリアが戸惑っている間に、マイア王女が前に出た。


『つまりは機体はそのまま、操縦者には死をって奴ですね。 修理の時間が掛からないレベルでなら構わないでしょうか?』


『ああ、それなら大丈夫だ。 頼むぞ』


『マジか……。 俺のヴィルドフルークじゃ無理だ。 武装的にも俺的にも』


『私もだよ……』


 うわぁ、過激な例えを出して来たなぁ。

 だが、確かにミュリア軍曹やらカロン軍曹の機体じゃ厳しいだろうなぁ。


『マスター、オリハルコンサーベルに適度な魔力を流してコクピット部分だけを狙いましょう』


「それしかないね。 マイア王女みたいな電撃は上手く使えないし」


『みんなー、私達も逆賊の大臣たちを処分するよー! ただ、なるべく機体は壊さないようにね』


『はーい!!』


 気の抜ける号令と返事だなぁ。

 だが、これが【魔法少女部隊】たる所以なんだろうと納得させた。


『こっちは俺とルキアで対処する。 カロン、フェリア、ミュリアは戦艦の防衛と周囲の警戒を頼む』


『はい!』


『ルキア、行くぞ!』


『ええ!』


 さて、今は大臣たちの処分をしないといけない。

 アルムがフェリア軍曹たちを戦艦の防衛役に回し、私はオリハルコンサーベルに魔力を注いで、マイア王女たちの部隊やアルムと共に一気に攻め込んでいった。

 まずは防衛戦第一ラウンド開始といこうか。


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