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魔導戦記マギ・トルーパー  作者: イズミント
第1部 邂逅編
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第16話 帝国の蛮行

残酷表現が入りますのでご注意を。

『南からだと!? 王都を先に仕掛けるつもりか!!』


『私やカロン君も急いでいますが、大尉たちもすぐに急行を! あと数分で帝国軍が王都に着きそうです!』


『分かった! 他の部隊とも連絡を取りながら凌いでくれ! 俺達もすぐに行く!』


『すみません、お願いします!!』


 ミュリア軍曹からの通信が終わり、緊張が走る。

 帝国軍が王都がある南部から攻めて来たというのだ。


『聞いていた通りだ。 すぐに王都に向かって急ぐ。 二人ともブースターを吹かしてでも急ごう』


『了解です』


「分かりました」


 色々疑問が浮かんできたが、今はファシナシオン王国の王都に向けて急ぐことに。

 ブースターを吹かしてスピードアップさせつつ、アルムやフェリア軍曹と共に急いで向かう。



「それにしても、何故帝国はピンポイントに王都へと攻め込めるんです?」


『ルキアさん?』


 ブースターを吹かして急いで向かいながらだが、私は疑問に思った事を口にした。


「ミュリア軍曹を始めとした他の人たちが見回りをしていた筈ですよね? 王都も見回りをしていたのなら、そう簡単に真っすぐに攻めてこないのでは?」


『多分だが、奴ら……俺をパーツ扱いにしている大臣たちが帝国に流してるんだろう』


「大臣たちが?」


 私の疑問にアルムが怒りを抑えた口調で答える。

 マナフォンの通信越しでもそれは伝わってくる。

 アルムを無能かつパーツ扱いにしていた大臣とその家臣たちが関わっているのではという予測と共に。


『まだ確証は持てないが、軍はあいつらが帝国に流しているんじゃないかと疑って居る。 国王様もそれを裏で調査をしている。 今は証拠がないがな』


「もしかして王都から軍がいなくなる時期を見つけて大臣たちが流したと?」


『そうだろうな。 そろそろ着くぞ!』


「もう一部の帝国のMGTが近づいている!?」


『不味いです! ミュリアとカロン君は……!?』


「無事のようです。 でも、様子がおかしい」


 ブースターを吹かして急いで向かった為に、15分で王都が見えて来たが既に一部の帝国のMGTが王都に攻め入っていた。

 見たところ、ミュリア軍曹とカロン軍曹の機体は無事なようだが、何か様子がおかしい。

 確かに一部の帝国軍のMGTは、他の部隊によって阻止はされているが、別の一機は何をして……?


『おい、一機の帝国の機体が何かしてるぞ!』


『あれはまさか……!?』


 アルムとフェリア軍曹が何かを見たらしく、さらにブースターを吹かせて合流する。

 私もそれに続き、ミュリア軍曹たちと合流する。


『あれは……!?』


『人を握り締めている!?』


(あれは……あの時のメイドさん!?)


 もうすぐ合流する所で見えたのが、帝国軍のMGTが人を握り締めていた光景だった。

 しかも、握り締められている人は、アパタイトに呼ばれる前に一緒に居たメイドさんだった。

 何てこと……!

 帝国はあんな事までするというのか!


『ほほぉ、援軍か』


「うぁ、あぐぅぅ……」


(メイドさん……!)


 握り締められて苦悶の表情を浮かべるメイドさん。

 よく見るとスカートや靴下から液体が滴り落ちている。

 トイレに行こうとしていたのか、タイミング悪く帝国のMGTに捕まえられ、圧迫されてだろうか失禁していた。


「ミュリア軍曹、カロン軍曹、これは?」


 私は合流した直後に、プライベートモードで二人に話しかける。


『ルキアさん、帝国軍がわが軍が王都にいない所を狙って攻めて来たのです。 その際に一機の帝国のMGTが先回りして手ごろな人を握り締めて人質に』


 私は、帝国がここまですることに怒りを覚える。

 キスクという皇帝が自分達が全世界の管理をすることが目的だが、それを成すには手段を選ばないという事か。

 だが、向こうの帝国軍のMGTは予想だにしない行動を起こした。


『援軍が来たというのなら、人質がいても無駄だな。 この女には死んでもらうとしようか』


『な、やめろ!!』


『そぉれっ!!』


「あぐぁ……っ!!」


『ああっ!!』


『き、貴様……、何てことを!!』


『ううっ!』


(あ、あぁぁ……)


 骨の折れる音と肉が潰れる音が同時に聞こえ、私の目の前でメイドさんは握りつぶされてしまった。

 液体だけでなく、血も滴り落ち、目を開いたまま痙攣してそのまま死んでいった。


『援軍を呼んでくるからだ。 我が帝国の言うとおりにすればこうならなかったのにな。 ガハハハ!!』


 握りつぶしたメイドさんだった人を投げ捨て、その様子を見て高笑いの声が聞こえた瞬間だった。


「……は」


『ん?』


『ルキア!?』


「お前はぁぁぁぁぁぁっ!!」


『マスター!?』


 私はここで何かがキレたのだった。

 そして、キレた私は一気に帝国の一機のMGTに突撃したのだった。

 アパ子が私を呼ぶ声すら無視するかの如く。


 

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